第36回東電株主代表訴訟口頭弁論(2017.9.26)傍聴記

11月10日

 前回期日の報告です。最後に、期日前の原告アピールの様子、記者会見の動画をアップしています。Uplanさん、いつもありがとうございます。


 爽やかな秋晴れに恵まれた当日、第36回口頭弁論が午後4時半から始まった。双方の準備書面等の確認から始まった約20分の過程のなかで最も一同の関心を引いたのは次の2点――証人調べの今後の進行と、刑事裁判の書証について原告・被告代理人の間で緊迫(?)の話し合いがあったこと――であった。被告らの毎度おなじみの言い訳である“想定外の天災の最中に発生した福島原発事故の予見や回避は不可能だった”は回を追うごとに破たんしてきたが、その言い訳の綻びは今後更に広がることだろう。証人調べと刑事事件の書証の詳細は以下の通り:
 

今後の証人調べについて

 今回口頭弁論で、元東電経営陣の被告勝俣、被告清水、被告武黒、被告武藤、被告小森と、東電従業員の酒井俊朗氏、高尾誠氏の当訴訟での証人調べの可能性が高まったように筆者には感じられた。なお、酒井、高尾両氏は東電の土木グループのメンバーで、特に高尾氏は原発事故前に福島沖の巨大津波発生予測や対策について東電経営陣に幾度となく説明していた人物だ。もし証人調べが実現すれば、証人のうち誰が一番で、それに続く証人が誰かは、刑事裁判の進展次第で決まっていくことになろう。
 海渡弁護士によれば、来年1月と2月の刑事訴訟の証人尋問の流れを追うようになるため、当訴訟での最初の証人調べは来年4月以降となりそうで、被告清水、被告小森の証人調べが実現すれば、彼らは刑事訴訟の被告人ではないので、当訴訟が彼らの証言を聞ける唯一の機会となる、という。そして、他の証人たちの刑事、民事の両法廷での証言を聴き比べていただければ、と続けた。2018年は当訴訟関係者ばかりでなくあらゆる原発訴訟関係者にとって正念場の年になりそうだ。

刑事事件の書証について

 先に述べたように、今後の証人調べは刑事裁判の進展を追うように進むもようで、その際には刑事訴訟の文書が重要な裏付け資料としての役目を大いに果たすであろう。文書はプライバシー・秘密保護の観点から一部黒塗りとなるが、過剰な隠ぺいとならぬように願いたいものだ。

記者会見

 海渡弁護士から期日の概要説明があった。証人の具体名があげられたこと、その出廷順番は未定であること、刑事裁判の進行状況に差支えのない範囲で関係文書が当訴訟でも検証されるであろうことなどが、本日の大きな進展として報告された。

 今回期日は午後4時半からだったので、司法記者クラブでの記者会見以外の行事(報告会、学習会)は行われなかった。



 筆者は原告としてあの過酷事故を振り返るたびに、割り切れない理不尽さを感じます。原発事業者たちなどは国策の名のもとに数々の恩恵を受け十分保護されているのに、福島原発事故被害者は軽んじられ捨て置かれ、事故の記憶の風化だけが粛々と進んでいるではないかと。私たち原告はその流れに抗い、被告らが運命のあの日に至るまで何を知り、何を知らず、何をし、何をしなかったのか、そしてその理由や目的は何か、を切に知りたいと願っています。私たちの法廷での闘いはまだまだ続きます。ぜひご注目ください。今年度の期日予定は下記のとおりです。

2017.12.21(木曜日) 午後1:30~ 
2018.2.1 (木曜日)  午前10:30~          
2018.3.22(木曜日) 午前10:30~

*会場はいずれも東京地裁第103号法廷です。
**いずれも期日後に報告会・学習会を議員会館で開催する予定です。(会場の正式決定は一か月前です。東電株主代表訴訟のブログでご確認ください。)      
***12.21の学習会は山崎久隆さん(原告・たんぽぽ舎)の講演「福島第一のいまと東電問題、どんな問題が何処にある?」を予定しています。         
(原告 加藤)

20171026 UPLAN 東京電力株主代表訴訟第36回口頭弁論期日

提出書面など

11月7日
前回10月26日の口頭弁論期日に傍聴に参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
遅くなりましたが、提出書面等を掲載いたします。

提出(陳述)書面等(前回期日から提出された書面含む)

    平成29年10月23日付け文書提出要請6 ※アップしません
被告(勝俣恒久、清水正孝)
被告(小森明生、武藤栄、武黒一郎)
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次回期日等

平成29年(2017年)12月21日(木)午後13時30分第37回口頭弁論期日(東京地裁103号法廷)
平成30年(2018年)2月1日(木)午前10時30分第38回口頭弁論期日(東京地裁103号法廷)
平成30年(2018年)3月22日(木)午前10時30分第39回口頭弁論期日(東京地裁103号法廷)

10月26日(木)午後4時半 第36回口頭弁論期日

10月16日
次回の口頭弁論期日についてお知らせいたします。

10月26日(木)午後4時半 第36回口頭弁論期日

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業務上過失致死傷事件の被告人として強制起訴された、本件の被告でもある勝俣氏、武藤氏、武黒氏の刑事裁判も、いよいよ第1回公判期日が6月30日に開かれ、世紀の裁判が始まりました。

前回の第35回口頭弁論期日では、原告ら代理人の海渡雄一弁護士は、上記後半で明らかになった事実について、説明いたしました。

多くの方に傍聴に来ていただき、この訴訟の社会的関心の高さを示すとともに、未だ福島第一原発「事件」の被害は続いていることを裁判所に対してもアピールできればと思います。
周りの方にもお誘いのうえ、ぜひご参加してください。

【スケジュール】
午後3:30~ 原告によるアピール
     東京地裁正面玄関前(霞が関駅A1出口を出て裁判所に向かう通りの前辺り)
     ▼東京地裁
     東京都千代田区霞が関1-1-4(地下鉄東京メトロ丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」A1出口から徒歩1分,地下鉄東京メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口から徒歩3分) 
     ▼地図

 

午後4:30~ 第36回口頭弁論期日
        東京地裁103号法廷
※いつもと時間が違いますので、ご注意ください。また、今回は報告会・集会はありません。

東電株主代表訴訟第35回口頭弁論期日傍聴記

9月25日
前回の口頭弁論期日のご報告です。

勝俣らは津波15.7mを知っていたばかりか、
対策を遅らせ、しかも世間を欺いた

 10時33分、定刻よりやや遅れて開廷。傍聴席は8割ほど埋まっている。大竹裁判長が、今後の裁判の進行等を原告側と被告側に確認し、その後に海渡弁護士が準備書面(26)(平成29年9月8日付)に沿って陳述した。東電旧役員3人の刑事裁判(6月30日・東京地裁)後、2回目の代表訴訟の口頭弁論期日である。今回は刑事裁判の公判廷で新たに明らかになった事実を初めて追加主張した。閉廷11時17分。
 その後、記者会見、報告会・学習会(映画『「知事抹殺」の真実』上映会)と続き14時30分閉会。
1.口頭弁論期日
(1)原告と被告の主張
①津波予見性と回避策
被告(武黒他):原告らの主張する津波の予見可能性を否認。
原告:被告(武黒他)が指摘した「本件事故の発生を防止できる内容の結果回避措置」は何を指すのか分からない。津波を予見できたし、津波被害の回避もできたはずなのに怠った。単純なことだ。混迷させるな。
⇒(裁判長)原告の主旨は具体的で明らかだ。被告はもう少し具体的に明らかにせよ。
②文書送付嘱託申立
 刑事裁判で明らかになった文書を代表訴訟でも使用したいと原告が申し立てた。
 (内容は記者会見の質疑の項を参照)
(2)海渡弁護士の陳述要旨
・刑事裁判で検察官から238点の証拠が提出された。代表訴訟では可能な限り多方面から情報を集め解析してきたが、この刑事裁判でジグソーパズルのディティールがはっきりしてきた。
・被告らは東電設計による津波高計算は試算であると主張しているが、この計算は基準津波高を求める基礎資料となっているものである。計算結果が津波高15.7mになり対策の具体的な内容が検討され、2007年推本の長期評価に基づき2009年6月までには対策を完了する方針を土木グループが固めた。対策会議で勝俣らに特段の異論はなく、社の方針として確認した。即ちトップは津波15.7mを知っていた。
・10m超の防潮堤など費用は莫大なので、積み重ねてきた議論を武藤裁定により反故にし、対策を先送りすることにした。そのため世間を欺くためのロジックが必要になった。
・津波対策としても防潮堤を南側だけではなく敷地全面を覆う計画があったが、その経過を隠してきたことも分かった。
・刑事裁判の検察官役の指定弁護士は「東電の最高経営層として運転停止以外の適切な措置を講ずることができなければ運転を停止すべきだった」と主張している。代表訴訟でも参考とされるべきである
・原発事故後の8月~9月の間に何があったのか、隠そうとした悪事を明らかにする。
2.記者会見(文書送付嘱託のみ、それ以外は省略)
Q 文書送付嘱託の手続きと判断は? また刑事事件の裁判官が断ることがあるか?
A 被告人の意見を聞いて、(刑事)裁判所が判断する。断ることがあるかもしれない。
Q 刑事裁判の資料のこの裁判への転用はあるか?
A 刑事裁判の資料の転用は不可。しかし、私たちは被害者参加人の代理人として、また、被告側は被告人弁護人として、書証を見ているので、文書送付嘱託で出てこなければ、見ていないのはこの裁判所だけということになる。 
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3.学習会:映画『「知事抹殺」の真実』
 「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」(東京地検特捜部検事)から始まった佐藤栄佐久知事の筆舌に尽くし難い苦悩。知事は自分の周りの人たちが非常に厳しい取り調べを受けていることを知り、偽りの自供に追い込まれる。国策捜査によってことが進められ、最高裁で「収賄額ゼロ円の収賄罪」が確定した。何とも理解しがたい判決だ。映画の詳しいことはパンフレットやインターネットに譲るとして、私ごとを少し書きたい。
(1)「森の案内人」修了書授与式
 「森の案内人」は福島県が実施している自然観察リーダー養成講座である。座学・屋外観察・実習を組み合わせた1年間の講座であり、欠席すると落第し、欠席分を翌年度に習得しなければならない。私はこの講座に参加し2年目に無事終了。修了書を知事から直々に受け取った。
 その席で、佐藤栄佐久知事に「いつもお手紙ありがとうございます」と一言添えられた。「えっ!」驚いた。私が都路村議時代に大勢の議員の一人としてお会いしたことがあるが、個人的にも少人数グループでもお話ししたことは全く無かった。それなのにこの声掛け。
 実は、知事がプルサーマル反対、核燃料サイクル反対、再処理より直接処理、道州制反対、平成大合併に慎重(合併するもしないも自治体の意思尊重)など、国策に批判的な言動をされていた時に、度々知事にエールのFAXを送っていた。知事がFAXに自ら目を通し覚えておられた。
 佐藤栄佐久知事がこの本を出されてしばらくしてから20人程で知事を囲む会があった。知事の話を伺い、その後に食事会の2部構成。出席者のほとんどは著書を持って参加。うち1人が食事前の休憩時にサインをお願いしたところ、快く筆で丁寧に「耐雪凌霜 栄佐久 ○○兄」と出席者の名前も加え、印まで押して下さった。サイン希望者が次から次へと続き、知事は食事をする暇もない。スタッフが見かねて食事を促したところ、「今すべきことは食事よりもサインです」とそのままサインを続けられた。
 栄佐久知事のお人柄を表すこの2つのことを、映画を観ながら思い起こさずにはいられなかった。
浅田正文(原告、東電福島原発事故避難者)
今後の口頭弁論期日
次回:10月26日(木)16:30~ 東京地裁103号法廷(時刻要注意)
次々回:12月21日(木)13:30~ 東京地裁103号法廷(時刻要注意)

第35回口頭弁論期日及び学習会の感想文/動画

9月21日

9月14日の期日及び学習会の感想文、当日前段集会、会見、報告の動画を紹介します。

神奈川県 藤沢市 JOさん
 海渡先生が報告会の最後に、原発事故後、国と東電は証拠隠しを行っていた、その実態を明らかにすべきと話されました。
国はなぜそこまでして原発を推進、維持したいのか、わからないし、残念なこととしか言いようがないです。

東京都世田谷区 IYさん
 海渡弁護士のお話、大変良かったです。これからの問題指摘もその通り!
『「知事抹殺」の真実』、拝見するのは2度目ですが、全国のみなさま、世界のみなさまにご覧いただきたいです。その後の状況も(近況)を、知らせてほしい。

埼玉県さいたま市 KNさん
 『「知事抹殺」の真実』は8月22日と今日の2回見ました。少しでも多くの人々にこの映画を見てほしいと思います。
元知事の涙を見ればすべてがわかります。2回目もやはり自分自身泣いてしまいました。ありがとうございました。 再審で逆転無罪を勝ち取りましょう。
佐藤栄佐久さんがんばれ!応援します。

東京都豊島区 TKさん
真実はかならず明らかになる。
原子力政策はすでに破綻したことは先進国の常識。
司法が独立した立場に気が付くよう、アピールしよう。
自然放射能を避けて通れないが、人工放射能は絶対に発生させてはならない。

東電株主代表訴訟、第35回口頭弁論期日

UPLANさん、いつもありがとうございます。

プロフィール

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Author:NoNukes0311
東京電力取締役の責任追及する:東電株主代表訴訟の公式ブログです。
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