東電株主代表訴訟、第31回口頭弁論期日報告

3月31日
遅くなりましたが、先日の期日報告です。



東電株主代表訴訟、31回期日報告
                                                                
 我々が要望し期待もしていた「文書提出命令」の申し立ては却下され、さらにすぐさま申し立てた「即時抗告」も2か月も経たずして却下・棄却という状況の中で迎えた第31回口頭弁論であった。もしかしたら傍聴参加者が少なくなるのではないかと危惧していたが、案の定、傍聴席には以前より空席が目立った。
 10時ちょうどに開廷され、原告、被告・補助参加人両方より提出された書面の確認の後、原告側から提出書面の説明と要望があり、相手側、特に補助参加人の東電代理人から簡単な返答があった。ここでは「文書提出要請4」と「福島第一原発の検証申し立て」について報告する。
1.「文書提出要請4」について。
 事故原因の解明および責任を明らかにするため従前から東京電力に資料の提出を求めていたが、今回、新たに提出を求める資料が判明したので提出を求めるというものである。裁判長は可能な範囲で協力するように指示した。
 原告代理人の海渡弁護士から、これらは事故以前の客観的な書面であるから、任意での提出をぜひお願いしたいとの補充があった。
2.「福島第一原発の検証申出」について。
この「検証申出」は福島第一原発の現地調査とでもいうべきことであり、河合、只野弁護士は、線量の高い場所へ行こうというのではなく、高校生でも現地へ入っているのであるから、彼らと同様に我々もまた、現地を直接見ることによってこそ得るものがある、事故を起こした現場に立ってこそ意味があると、2年前に現場に入った体験をもとに検証の必要性について主張した。
 これに対して補助参加人は、事故報告書で十分であり、検証の必要はない旨の主張をしたが、例によって例のごとく聞き取れないような小声で意見を述べ、原告席から「聞こえません!」との声が飛んだ。
「検証」は事故現場の現地調査であり、原因の究明、真実の追求のためこの訴訟に是非とも必要なことである。現に事故が起きているのだから、現場に足を運んで検証するのは当然であると考えられる。
事故現場には真実が残されている。……事故は福島第一で起きたのだ!
これについて裁判長は、被告、補助参加人にそれぞれ意見を書面で提出するよう指示した。
また、裁判長は、補助参加人より我々の主張(準備書面20)に対する反論が出されたので(準備書面21)、3月末を目途に争点整理の骨子案を示したいと述べた。さらに、次回進行協議において証人尋問等についての協議に入りたいので、それについての意見を準備してほしいとも言及した。


次回以降の進行協議の期日、口頭弁論期日などについての確認等があり、約15分で終了した。
  第32回 口頭弁論期日 4月27日(木)10:00 103号法廷
  第33回 口頭弁論期日 6月 1日(木)10:30 103号法廷

記者会見

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 司法記者クラブに場所を移して記者会見が行われ、原告代理人の河合弁護士、甫守弁護士、大河弁護士、原告の堀江原告団代表、木村結事務局長が出席した。
今回の口頭弁論に至る背景、そして口頭弁論の内容についての説明を河合弁護士が行った。
特に文書提出命令(政府事故調の調書の提出を求めた)の即時抗告が却下・棄却されたことについて「非常に遺憾である」とし、地裁の却下理由の一つとして、開示することは「今後原発の重大事故が生じた際の調査に差支えがある」としたことを高裁が追認したことについて「政府のやりもしない調査をおもんばかるのは不必要であり、訴訟における真実究明のための司法としての誇りを持っていない。行政が隠そうとしてもそれを打ち破ることが可能であるという裁判所としての矜持に欠ける」と厳しく批判した。
福島第一原発の検証について、「東京電力は高校生を招待して安全だ、安全だと言いながら、我々が入ろうとすると高線量だから危険だと言う」と説明すると、会場からは失笑が起こった。そして記者から、損害賠償請求訴訟を含めて、今まで福島第一原発を検証したことはあったのかという質問があり、「行われるならば、福島第一での検証は初めてになる」との答えがあった。
 また裁判所が争点整理案を3月末までに作成予定であるが、以前作成された「事実経過表」は評価できると説明した。
堀江さん、木村さんからは、本日傍聴者が少なかったのは残念。文書提出命令の申し立てが却下され、皆さんがっかりされたことが大きいのではないかとの感想が述べられた。そして検証申し出に対する東電の姿勢は、事故原因を究明しようという姿勢とはほど遠い。検証を拒否する権利があるのだろうか。国会事故調の委員らが現地に入ろうとしたとき、真っ暗闇で入れないなどとして調査を拒否したが、東電の隠蔽工作をする姿勢、隠蔽体質は変わっていないと述べた。
最後に、二度とこのような事故を起こしてはならない。そのために、真実を明らかにしたいと裁判をやっているのだから、マスコミもそのような観点から報道してほしいと結んだ。
 
報告会と学習会

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 この部分の報告は、落合さんが止むを得ない事情で退席されたので、代わりに福島が担当する。
 12時より、参議院議員会館の講堂で“期日後の報告会と学習会”が開かれた。報告会では、甫守弁護士が“期日報告および記者会見”で話題になっていた事柄(司法の専門用語など)を解説する形で7項目にまとめて話された。“期日報告や記者会見”の様子については前述されているので、この部分での詳しい説明は省略させて頂く。
 
 学習会は『日本と原発 4年後』の上映だった。東電株主代表訴訟の弁護団長 河合弘之さんの2作目の監督作品で、彼の初監督作品『日本と原発』を改訂し、被曝や原発とテロの問題も盛り込んだ。また、原発推進派と思われる近藤駿介氏、木元教子氏らへの監督のインタビューも興味深いものがある。
 福島原発事故から6年の月日が経ちます。筆者はこの『日本と原発 4年後』を実ははじめて観ました。多くの勉強をさせてもらったのですが、無性に悲しくなりました。皆さんは如何お感じになられましたか?
(原告:落合正史)


前回期日の感想と動画

10月25日
たいへん遅くなりましたが、前回の期日、報告&学習会参加者の感想をご紹介します。また、Uplanさんが録画動画配信してくださいました。いつもありがとうございます。
おしどりマコ・ケンさんのお話、一人でも多くの方に見ていただきたいと思います。
ご参加いただけなかった方、また、もう一度見たい方も是非ご覧ください。

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期日後の記者会見(司法記者クラブにて)

YNさん(愛知県瀬戸市)
 おしどりマコ・ケンさんのトークを初めてききました。早いテンポで面白く聞けました。そして内容が濃くて、最新の情報を知ることができて、有意義な時間でした。
 「ドイツの国民なら20mSVは受け入れない。日本人は受け入れている」という話がとても印象に残りました。受け入れてはいけないので、この話を友人達に紹介していこうと思います。

HTさん(東京都小平市)
甫守一樹弁護士に詳しく話していただき、復習ができ、自分の頭の中の確認と整理ができました。ありがとうございました。
おしどりマコ・ケンさん 継続して積み重ねてこられた知識があっての今日のお話、そして軽妙な語り口、あざやかなトークショーでした!!勉強になりました!!!喘息お大事にしてください。そして“継続”がんばっていただきたい、唯一無二の二人だから。
みなさま大変ありがとうございました。

KHさん(埼玉県新座市)
 (推進派の発言として紹介のあった)原発に事故があってもちゃんと住民は生きていけるというモデルケースを日本が示すことで、原発を世界に輸出できる、なんてお役人が考えるとは思えない、悪業ですよね。
 よく調査・取材してくださり、頭が下がります。

MIさん(埼玉県熊谷市)
 私は柏崎刈羽原発の地元の柏崎市荒浜の出身です。東電株主訴訟の傍聴には30回近くになってやっと参加できました。
福島原発のその後の状況を知るにつけ、原発は廃炉にしなければならないと、強く思いました。甲状腺がんの問題と海の放射能汚染の今後が心配です。柏崎刈羽も絶対再稼働は阻止しなければなりません。

SMさん( 埼玉県富士見市)
 マコ・ケンさんありがとう。
私も「御近所変えよう」活動しています。
毎週1回は原発、安保法制の真実を伝えようとチラシをまいています。







第28回口頭弁論期日報告

10月23日
遅くなりましたが、今回の口頭弁論期日の報告です。



【口頭弁論期日】
 10月13日(木)、東京地裁103号法廷で第28回口頭弁論期日が行われた。10時開廷と、いつもより30分早い始まりだったためか、傍聴席は6、7割の入りで空席が目立ったのは残念だった。というのも、今回は原告側が申請していた政府事故調の調書記録の文書提出命令申立てで大きな前進があり、原告側の準備書面(20)に基づく意見陳述も、東電側の「大津波を予見できなかった」という言い訳にとどめを刺す迫力ある内容だったからだ。
 今回の期日には、原告側から東電の津波対策の懈怠につき全面展開した準備書面(20)を提出し、東電からは前回の原告の主張への反論となる準備書面(20)、当該被告ら3グループからは原告の約5兆5億円から約9兆5億円への請求の拡張申立の棄却を求める準備書面(5)と答弁書が提出された。
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 大竹裁判長は双方に対して書面の確認をし、今後必要があれば反論をするよう指示した後、文書提出命令について経過を報告した。まず、裁判所が国(内閣府政策統括官)に対して、いわゆる黒塗りの部分とグローマー拒否(文書があるかどうかも明らかにしない)について、民訴法上の除外事由に関する資料の追加を求めたところ11月半ばに提出するとの回答があったこと、また公開されている吉田元所長、元原子力安全・保安院の名倉審査官、小林審査室長の調書の黒塗り部分について、インカメラ(裁判官のみで内容を確認し判断する)手続きを決定し、国からは10月14日までに提示するとの回答を得たこと。そしてそれらを検討後、年内を目標に提出命令について判断をしたいと述べた。長引いていた文書提出問題がようやく一歩前進したわけだ。
 また裁判長は、文書提出命令の検討と並行して、裁判所が広範な争点を整理し、骨子となる論点をまとめたものを作成し、年明けにも示したいとの考えを明らかにした。
 次に原告側が準備書面(20)に基づき意見陳述を行った。陳述に立った甫守弁護士は、東電側が国の地震調査研究推進本部(推本)の「長期評価」の信頼性が低い、確実に大津波が来るという科学的根拠を示せと主張していることに対し、そもそも、それほど確実でなければ対策しないという前提が間違いで、科学的に起きないことが否定できないなら対策をするのが当然と述べ、ここに東電の安全文化、リスクマネジメントのゆがみがあると断じた。また、東電が固執する「津波評価技術」は大津波への対策を免れるべく、自らに都合のよい手法を権威付けるため、ほとんどが電力関係者からなる土木学会津波評価部会で策定した自作自演の産物である。事故後「経営理念を優先させた」と反省も見せたタスクフォースの「安全改革プラン」でもなお、推本の「長期評価」に対し、「津波評価技術」を第三者機関が策定したかのように並立的に扱っている。が、そこの反省抜きには、反省したことにならないと指摘。東電の津波対策の懈怠は明らかであると結んだ。明快で熱のこもった陳述に、原告席も傍聴席も納得!の表情がうかがえた。
 最後に裁判長は、次回12月、次々回1月の期日を確認し、この日の法廷を終了した。

【記者会見】
 前日に文書提出命令のニュースが流れたこともあり、会見場にはいつもより多くの記者が集まり、質問もその点に集中した。それに答えて海渡弁護士は、時間はかかっているが、裁判所は文書を出そうとしない国に対し丁寧に議論を進めており、並々ならぬ意志が表れていると言明。裁判所が必要と認めて提出命令を出した場合、国は抗告できるが、当事者でもない国が出さないと言えるのか、そうさせないためには世論の高まりが必要だと、記者達に奮起を促した。原告の木村さんは、福島の人々の人生や生活をずたずたにした事故を起こした私企業を国はどこまでかばうのかと訴えた。

【報告・学習会】
 裁判の内容をわかりやすく伝えようと、今回は30分かけて甫守弁護士から報告してもらった。文書提出命令に関しては、グローマー拒否など法律が前提としていない事態にどう対応するか、大竹裁判長の度胸が問われる状況であるとし、期待されていた今年度内の判決はありえないだろうと予想。さらに今回の書面では、東電の「(福島沖で津波は)有史以来なかった」という主張の誤り、「津波評価技術」は土木学会津波評価部会の自作自演によること、タスクフォースが出した「安全改革プラン」のまやかし、1.0というありえない補正係数の問題など、今まであまり触れてこなかった点にも踏み込んだとの説明があった。
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 学習会は、おしどりマコ・ケンさんに取材報告をしていただいた。11年3月以来、東電の記者会見や県民健康調査会議の傍聴などに参加し続けている彼らの粘り強い姿勢と鋭い感性、驚くほどの情報量と知識には本当に感服するばかりで、力量的にも紙面の都合からも内容をすべてお伝えできないのが残念! 軽妙な弾丸トークから特に印象に残った点は、東電の記者会見に参加する記者が11年には100人もいたのに、今は10人程で、しかも知識の無いビギナーばかりになっていること、逆に県民健康調査会議の傍聴者は子ども達の健康を心配する地元の人達で80~90人に増えていること、凍土壁は固まらず漏えいが深刻なこと、タンクも間に合わず、漏れるので使わないはずのフランジタンクを再利用し、やはり漏れているが、放射能が微量、軽微の漏えいは報告義務を無くすなど、施設の保安規則がどんどん緩められていること、汚染水を海へ捨てることに資源エネルギー庁が困惑するほど規制庁がイケイケなこと、汚染土の量を減らすため、従来の規制値100ベクレルを、「新概念」により8,000ベクレル以下は公共事業で使うことを決め、着々と進めていること等々。最後にマコさんは、ドイツの放射線防護庁に行ったとき「妊婦や子どももいるのに、20ミリシーベルトを国民が受け入れたのか? ドイツの国民なら許さない」と言われ、「自分も受け入れたのだ!」と衝撃を受け、今後は絶対受け入れないぞー!と誓ったと話した。そして、原発推進勢力は「日本の原発は事故を起こしても大丈夫。広島、長崎を経た国民が受け入れている」という形で、さらに進めようとしているとの警告で締めくくった。これをどう受け止めるのかが、私達に問われている。貴重なお話と時間に改めて感謝! マコ・ケンさんのショーにも足を運び、応援しよう!
(原告:まめこ記)

第27回口頭弁論期日報告

9月25日
たいへん遅くなりましたが、前回の期日報告を掲載いたします。

<第27回口頭弁論期日傍聴記>
訴訟指揮強く終盤か? 文書提出命令にも意欲
浅田正文:原告、東電福島原発事故避難者
(東電等株主運動、東電株主代表訴訟、等)

 台風13号による強風・大雨の予報が出たため、恒例の東京地裁前の街宣が急遽中止になったが、期日当日(2016-09-08)の朝は風も雨もなく、トラメガはないものの有志が横断幕を掲げ、道行く人にチラシを手渡した。静かなる街宣で期日を迎えた。

 10時30分、定刻通りに開廷。台風の影響かいつもより傍聴者が少なく空席が目立つ。大竹裁判長が、今後の裁判の進行等を述べた後に、原告代理人・被告、補助参加人の代理人からそれでよいかの確認をとり、15分ほどで閉廷した。期日の時間は短かったものの、裁判長の積極的な意欲が表れた進行であった。争点が煮詰まってきた。この裁判の判決は自分が書くのだ、との強い意志を感じた。
 この雰囲気は、3年前の福井地裁・大飯原発運転差止訴訟の終盤で樋口裁判長が毎月のように期日を設定すると共に、(1)裁判所は技術論には関心がない、(2)数回にわたり反論を求めているのに何故反論できないのか、との裁判所と被告関電の厳しいやり取りを思い出させる。樋口裁判長は2014年5月21日、人格権・国富喪失に立脚した上で、過去の地震規模や揺れなどに言及し、「原子炉を運転してはならない」との崇高な判決を下した。この株主代表訴訟もそうあってほしい。以下概要。

1.期日
(1) 前回の期日で事実経過表を裁判所がまとめた。
平成28年(2016年)7月7日付で事実経過表がまとめられた。平成3年10月30日から平成23年3月7日までの57項目・A3判9ページにも及ぶもので、原告らの主張とそれに対する被告ら・補助参加人の認否が対比されてまとめられている。
(2) 被害拡張申立、9兆円超に。
本訴訟は、被告らは東京電力(株)に対し連帯して損害額5兆5045億円を支払えというものだが、その後被害額が増加している。そこで被告に責任の重さを実感してほしいとの考えから、被害額(請求額)を9兆482億1300万円に拡張申立を行なった。被害額は東電自身が発表している「新・総合特別事業計画」2016年3月期決算説明資料から算出。
(3) 文書提出命令申立
政府事故調のヒアリング調書を国(内閣府政策統括官)が管理している。平成28年7月14日に裁判所が命令を出すに当たっての質問事項を国に求め、8月31日に国から意見書(4)が出された。裁判所は更に必要なことがあるか、検討していきたい」とのこと。

2.記者会見
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海渡:(1)裁判所が事実経過表を作成し、当事者の事実についての認識を共有できた。主張も煮詰まってきた。これから、双方の主張を整理し、証拠調べに移っていくだろう。
(2)ヒアリング調書に関して、文書提出命令を出すかどうか、個人名などをどうするかを確かめているようで、大詰めを迎えている。原告側としてはインカメラ(*1)でもやむを得ないと考えている。文書提出命令が出ると思う。
河合:マスキングして文書を出すのは供述者の同意があるということ。同意があるならすべて出すべき。また文書があるか無いかも言えない(グローマー拒否)など、専門的な厳しいやり取りがあるようだ。裁判所は本気である。
木村:裁判が始まって5年にもなる。来年3月末には避難者への住宅支援打ち切りの方針が国・福島県から示されるなど生活基盤を奪われた方が路頭に迷う一方で、被告・元東電取締役らはのうのうとしている。早急に結審し、今の裁判長に判断を願いたい。
山崎:原子力規制委員会は九州電力川内原発・四国電力伊方原発の再稼働を本当に公正に審査しているのか?フクシマのような無責任社会から脱する思いも込めて原告としての主張をしている。

3.報告会・勉強会
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衆議院第二議員会館で、12:30から甫守弁護士が期日報告を行い、その後勉強会と続いた。勉強会と称して実は映画「太陽の蓋」(*2)の上映会だった。上映後に映画製作者の橘民義さんの話、続いて河合弁護士が橘さんに質問するスタイルで進められた。
橘さんは:
・映画製作の動機は、しっかりと記録に残しておきたかったことである。フクシマ関連で200~300本の映画がつくられているようだが、官邸の中を描いたものはない。劇映画形式で残しておきたかった。
・実在総理が実名で出て来た映画ははじめて。リアリティを求めた。
・事故が大きくなったのは菅総理が失敗したからと言われてきた。検証してそうでないと言いたい。
国会事故調記録、東電TV会議、現場にいた人の証言などをもとに、事実に近いものをつくった。
・石炭の国であるポーランドでも既に上映した。原発をつくることにしていたが現職大臣が迷っていた。英語版などもできている。
河合(まとめ):あの日に日本が持った恐怖と緊張を我々は忘れたのかと言いたい。

次回口頭弁論期日:10月13日(木)10:00~ 103号法廷(開廷時刻に要注意)
次々回      12月15日(木)13:30~ 103号法廷(開廷時刻に要注意)
その次   2017年1月19日(木)10:30~ 103号法廷



(*1)インカメラ:
裁判所が文書提出義務の除外文書であるかどうかを判断するために、所持者に文書を提示させ、裁判官が見分する非公開の手続き。

(*2)映画「太陽の蓋」(チラシから抜粋引用):
真実に肉薄するポリティカルドラマ130分。監督は佐藤太、木村結さんも協力。
東日本大震災~福島原発事故が起きた3月11日からの5日間。原発事故に迫る新聞記者をキーパーソンとし、当時菅直人政権であった官邸内、さらに東京や福島で暮らす市井の人の姿を対比して描く。菅内閣の政治家は全て実名で登場させ、原発事故の経過や対応を事実に沿って丹念に追う。情報が錯そうする中、極限の緊張応対にあった人間ドラマを描き、官邸内部のリアルな様子を浮かび上がらせる。原発と共に生きてきた福島の人々の葛藤、事故発生によって翻弄されるマスコミや東京に暮らす人々を切り取ることで原発と日本人の姿を俯瞰的に捉えている。
<なお、ご参考までに>
「太陽の蓋」の自主上映会費用は、99人以下の観客で1万円/回。
格安! 全国各地で上映会の広まることを願う。
以上

第26回口頭弁論期日報告

7月20日
前回7月7日の報告です。

第26回口頭弁論期日報告

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 7月7日の期日で株主代表訴訟は大きな山にたどり着いた感があります。
 まず、裁判所の作成による「事実経過表」が完成したことです。これは原告側の時系列に沿った主張点57項目に対し、被告・補助参加人の認否を対比させた一覧表です。その最終版が完成したことで、いよいよ本格的な論戦が始まるからです。
明白な証拠がある背景事象については被告取締役等・東電側も認めざるを得なくても、津波対策をネグレクトしたという行為についてはどれも意図を否認しています。しかしその弁明は苦しいと言わざるをえません。
 たとえば大きな出来事だけでも、2002年7月の文部科学省地震調査研究推進本部(推本)地震調査委員会が「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」を公表し、その中で、今後30年以内にM8クラスの地震が起きる可能性が20%程度あるという見解を明らかにしています。これに対し東電は、推本の見解を伝えられたことは認めても、東電として対策を取る必要については、歴史的なエビデンスがなかったことを理由に否認してきています。
しかしこのような予見と取るべき対策について、IAEA(国際原子力機関)も2015年、「歴史データを参照しようとするなら、むしろ今までのデータに大きな安全係数を上乗せすべきで、その場合M9レベルの地震も予見できなかったとはいえない」と指摘しています(津波の予見可能性についての知見等を知りたいという裁判所の要望に応じて今回準備書面(19)として提出)。
 また2004年のスマトラ島大津波においてマドラス原発の非常用ポンプが水没したことや、2005年の宮城県沖地震において東北電力女川原発が大きな地震動を受けたことを踏まえ、2006年に保安院などによる溢水勉強会ができました。ここに東京電力はオブザーバーとして参加しています。これについて東電は参加と実効的な津波対策を切り離したがっていますが、対策を考えるための勉強会でなければ何のためなのでしょう?
 今日の準備書面(19)は、失敗学会の原子力工学に基づいた見解を含んでいます。その失敗学の専門家たちによると、早ければこの時点において今回の事故は予見できたはずということです。
 さらに2006年9月に原子力安全委員会が、地震学・耐震工学に関する最新の知見を反映した『耐震指針』を決定したのを受けて、保安院はこの新方針を踏まえた安全評価及び報告(耐震バックチェック)を各原子力事業者に求めました。しかし翌2007年の中越沖地震の発生を機に、保安院は更なる危機感を覚え、2009年までにバックチェックを前倒しに早め、それに基づく対策を取ることを指示するに至りました。
 以上のような背景があって2008年、東電は東電設計および社内土木グループに依頼し、長期評価に基づいて想定される津波の高さを試算させています。その結果1号機から4号機までのタービン建屋等が設置された10m盤を大きく超える15.7mに達する可能性があることが被告・武藤取締役に報告されました。しかし武藤は対策を回避するために再度土木学会に再検討を依頼し、求められていた耐震バックチェックを先送りしたのでした。
 ちなみに前述の失敗学会の見解によれば、このようなネグレクトにもかかわらず最低限の対策はなお取り得た、つまり予備バッテリー・高圧電源車・水中ポンプの用意とその使用について職員へのトレーニングを行っていれば、今回のような事故は避けられたはずだったということです。

学習会報告『甲状腺がんの多発と100msv閾値論』 岡山大学大学院環境学研究科 津田敏秀教授
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 政府および福島医大の山下俊一教授によって「福島で甲状腺ガンは発生していない、100msv/年以下では健康被害は起こらない」という原発安全神話が喧伝されていますが、事実はどうなのでしょうか。疫学の専門家である津田先生に話をお伺いしました。以下はその要約です。
 科学的知見を提出するためには約束事がある。つまり現象の観察に始まって→多様な現象のデータ化→確率分布を作成して解析→そこから法則を導く、という手順を踏まねばならない。疫学的因果関係においては、原因があるから現象があると考えては間違いである。原因は見えていないことが多い。しかし現象(病気)があるわけだから、それを観察しなくてはならない。どのくらい多発しているか、現象を観察し、考え得る原因のデータを集める。それを95%カバーする(=両端のマイナーな値を切り捨てる)分布曲線を作って分析し、相関関係をもつ原因を見つけ出す。
 原因があるから結果があるという決定論はそもそも当たるも八卦当たらぬも八卦であって、科学的な態度とはいえない。福島医大の結論はこの科学的推論の手順を無視しており、100msv以下の健康被害を見ようとしていない。科学的根拠に基づいた医学が日本に定着していないことの例である。まったく嘆かわしいことだ。
 疫学的知見から言うと、福島における甲状腺ガン・白血病・乳ガンの多発はすでに統計的に明らかだ。それも今後はますます恐るべき数値にのぼるはずだ。チェルノブイリでもそうだったが、5年目から急激に発症が増大している。福島の場合は今から増大するだろう。福島の方が人口密度が高いのだから、当然に症例の数も多くなるはずである。甲状腺の手術ができる外科医・耳鼻科医の養成を急がなくてはならない。分析し対策を取ろうとするならば当然そうなる。しかし安全神話を流布させ対策を取らなければ問題が大きくなるが、誰がその責任を取るのか? ここにも構造的な無責任体制がある。
(原告:堀浜)
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