<第20回口頭弁論期日傍聴記>

10月28日

前回期日の報告です。


勝俣らは津波15.7mを知っていたばかりか、対策を遅らせ、しかも世間を欺いた
浅田正文:東電福島原発事故避難者
(東電等株主運動、東電株主代表訴訟、等) 

 東電株主代表訴訟第20回口頭弁論を傍聴した。9月25日午前10時半をほんの少し回った東京地裁第101号法廷。東京検察審査会激励行動で上京した福島原発告訴団も加わり傍聴席・記者席はほぼ満席、原告・弁護団席には31人、被告席(補助参加人)15人。
裁判長は、原告の準備書面などをよく読み込んでいるようで、争点にすべきことを明確にしたのに対し、被告側は裁判長の進行に大きな異議をさしはさむことができず元気がない、と感じられた。今の裁判の流れや雰囲気が如実に表れていると言っても過言ではあるまい。
 冒頭に裁判長から裁判の進め方について、進行協議で話し合われたことなどの再確認がされた後、弁護団から甫守一樹弁護士と海渡雄一弁護士が「平成20年7月末の方針変更が福島原発事故を招いた」と題して、パワーポイントを使い原告側準備書面(14)及び(15)における主張の要点を分かり易く説明した。閉廷11時6分。被告らからは事務的なこと以外の発言はない。

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 期日後の記者会見
 原告の主張要旨をパワーポイントから引用すると:
① 東電は平成19年12月から平成20年7月まで、推本(地震調査研究推進本部)の見解に基づく津波対策を行う方針で動いていたが、平成20年7月末に正当な理由なくこの方針が覆された。そればかりではなく、被告武藤らは政府事故調とも結託して、この重要な事実を隠してきた。
② 東電は推本の見解を無視できなかったので着々と津波対策の準備を進めていたが、武藤副社長は「100年に1回以下といった、炉の寿命よりも頻度が低いような自然災害への対応については切迫性がないと判断した」と政府事故調では述べている。即ち切迫性がないのだから、津波対策を先延ばしにしよう、と決めた。
③ そして先延ばしする言い訳として、推本の長期評価を取り入れず土木学会の検討に委ねることにした。(土木学会は電力会社の御用学会と言われており)事実上時間稼ぎのための検討依頼であった。
④ しかも東電は津波対策の遅れを気にしており、何とかごまかそうとして、被告取締役らは「耐震強化工事をやっているという姿は見せなければならないのではないか」(被告清水)、「全体としてよく対応している姿を見せていく」(被告武黒)とまで言っている。
⑤ 当初の予定通りに対策工事に着手していたら、対策工事が完了していた可能性が高く、工事延期と事故との間には因果関係がある。(引用終わり、一部加筆)

 私は、この事実に言葉を探せないほどの衝撃を受けた。憤りが身体じゅうに溢れかえっている。事故直後に東電は「想定外」と何度も言ってきたが、想定外どころか、津波を想定し対策を講じる予定を立てていた。その予定を変更し、そればかりか津波対策を先延ばしにした事実を隠してきた。即ち世間を欺くことまで行っていたのだ。大嘘つきだ。経営者である前に人間としてのモラルが欠如しているとしか言いようがない。
東電ホームページには「東京電力グループ企業行動憲章」制定にあたって、として次の文言がある。

 「公益事業に携わる者として、誠実な心をもって社会に尽くしたい」「企業に原点を置いて社会を見るという態度から、社会に原点をおいて企業のあり方を考えるという発想へ、180度の転換を図ることが大切なのである」。これらは、昭和30~40年代における木川田元社長の発言です。「企業の社会的責任(CSR)」の考え方を先取りしたとも言うべき、当時としては斬新なこの見解は、当社の事業活動の理念的柱となり、人間尊重の考えを基盤として、環境保全、地域との共生や人材育成などへも先駆的に取り組むなど脈々と受け継がれてきました。

 東日本大震災よりはるか以前、それ行けどんどんともいえる高度成長期にありながら、当時の木川田社長はこのように発言していたのだ。勝俣・武藤・武黒などは先人の発言をどのように受け止めてきたのか。

 私は、機会あるごとに「仮に想定外だったしても、万が一を招いてはならない。人間は過ちを犯すもの、だから原発は人間と共存できない」と発言してきた。いわば性善説に立って原発ゼロを訴えてきた。だがその言い方は今思うと非常に甘かった。被告東電取締役らは想定外どころか大津波の可能性を知っていたのであり、一旦立てた対策を先に延ばし、世間を欺いてきたのだ。あまりにも酷いではないか。福島県の震災・原発事故関連死は2015年10月19日時点で1,974名にも上り、直接死の1,604名を大きく上回っている。関連死のうち自殺者は72名であり、宮城40名、岩手33名の2倍前後にも上っている。津波対策で世間を欺いた痛ましい結果なのだ。被告東電取締役らはこの事実を受け止めてほしい。

 今後の進行について、裁判長は、「原告側準備書面(15)には、時系列論点整理表がつけられているが、被告が反論するならそれにつけ加えてほしい」と求めた。他にも補助参加人に対し、①津波予見可能性、回避可能性の主張を、②土木学会に検討を委託したことについて、何故土木学会を選んだのかその根拠を示すよう等、6項目について説明を求めた。
 
 河合弁護士は「福島原発告訴団と東電株主代表訴訟の車輪がうまくかみ合って、被告東電取締役らの責任が明らかになってきている」と記者会見などで発言。次回に補助参加人が口頭弁論でどのような答弁をするのか注視したい。予断は許さないが、原発事故避難者として大きな希望と期待を持っている。この裁判で勝訴することにより、日本が「責任放置国家」から「法治国家」へ生まれ変わるきっかけとなり、原発ゼロへ舵を切ることを願わずにはいられない。
 
 口頭弁論の後、報告集会・学習会があり、金弁護士による報告、井戸弁護士による「市民と司法の力で時代を切り拓こう」との講演があった。
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井戸謙一弁護士(期日後の学習会 参議院議員会館講堂)

・次回口頭弁論期日:11月5日(木)10:30~ 103号法廷
以上
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