東京電力株主代表訴訟・第32回口頭弁論期日 [報告]
5月15日
遅くなりましたが、前回の期日の報告をお送りします。
<日時>2017年4月27日(木)午前10時00分より
<場所>東京地方裁判所第103号法廷
~重大な局面を迎えた東電株主代表訴訟~
大竹裁判長から最初に以下が述べられた。
・左右陪席裁判官の交代があったこと、裁判長は変わらず、引き続き新しい裁判官のもとでも,これまでの訴訟活動を維持すること。
・原告から被告22人の訴えの取り下げの申し立てがあり、被告から同意書が提出され、被告は勝俣、武藤、武黒、小森、清水の5人に絞られた。
(※裁判長は〈社長グループ〉〈原子力担当グループ〉と呼んでいた)
次に、裁判長は、3月31日に裁判所が作成した「争点骨子整理案」に対して、原告の主張する「予見可能性」の対象が明確性を欠いている、つまり具体的な対象が定まっていない、と被告側から指摘されているので、原告側に整理するようにと述べた。
これに対して、海渡弁護士からは、重大な論点であるが、局面ごとに違っていてもいいのではないか? しかし、その内容について追加書面を出すことを考えていると発言。
5月19日ぐらいまでに提出してほしい旨の発言が裁判長からあった。
また、裁判所が作成した「争点骨子整理案」については、被告側補助参加人も追って提出することが伝えられ、海渡弁護士からは、原告側も追加を考えていると述べた。
「それをひとつの材料として、議論を深めましょう」と裁判長。
ん? これから本格的な議論を深めるのか?と一瞬思った。
5人に絞ったことで、裁判のスピード、焦点とも格段に上がることは間違いないと思われる。
これからが本格的なんだ!と改めて実感した。
裁判長に、他になにか意見は?と促されて、河合弁護士が補足発言。
「当初、福島原発事故の処理費用が5兆5千億円と見積もられ、その金額を会社に対して損害賠償せよ、ということでこの訴訟は始まったが、それが9兆482億1300万円になり、昨年12月には経済産業省の東京電力・1F問題委員会が、21兆円5千億円の費用がかかると発表した。
さらに、日本経済研究センター(日経新聞のシンクタンク)の3月7日の発表によると、処理費用は70兆円に上るとの予測。これは今年の国家予算に近く、一般税収の50兆円を超える金額だ。原告として請求額を変更することも今後検討する」
最後に、裁判長から今後の期日について説明があり終了した。
この後、記者会見に移った。
今回被告22人の訴えを取り下げ、人数を5人に絞ったことで、報道各社が詰めかけた。質問も相次いだが、報道自体は大きくは取り上げられていない。
時事通信web版より;
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042700683&g=eqa
【東京電力福島第1原発事故をめぐり、津波対策を怠ったとして歴代経営陣の27人に約9兆円の賠償を求めた株主代表訴訟で、株主側は27日、勝俣恒久元会長ら5人を除く22人への訴えを取り下げた。裁判を早期に進行させるためという。
他の被告4人は、武藤栄、武黒一郎両元副社長と、清水正孝元社長、小森明生元常務。勝俣、武藤、武黒各氏は検察審査会の起訴議決を受け、強制起訴もされている。
訴訟で株主側は、勝俣氏らに対し、東電へ約9兆482億円を支払うよう求めている。被告側は、津波は予見できなかったなどとして全面的に争っている。(2017/04/27-12:39)】
東京新聞の記事では、上記記事内容のほかに以下が明記されていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042702000238.html
【閉廷後に記者会見した株主側の海渡雄一弁護士は「津波対策を先送りした人たちに絞り、極めてシンプルな訴訟になった」と話した。今後、請求額を約二十一兆五千億円に増やす方針を示した。】
遅くなりましたが、前回の期日の報告をお送りします。
<日時>2017年4月27日(木)午前10時00分より
<場所>東京地方裁判所第103号法廷
~重大な局面を迎えた東電株主代表訴訟~
大竹裁判長から最初に以下が述べられた。
・左右陪席裁判官の交代があったこと、裁判長は変わらず、引き続き新しい裁判官のもとでも,これまでの訴訟活動を維持すること。
・原告から被告22人の訴えの取り下げの申し立てがあり、被告から同意書が提出され、被告は勝俣、武藤、武黒、小森、清水の5人に絞られた。
(※裁判長は〈社長グループ〉〈原子力担当グループ〉と呼んでいた)
次に、裁判長は、3月31日に裁判所が作成した「争点骨子整理案」に対して、原告の主張する「予見可能性」の対象が明確性を欠いている、つまり具体的な対象が定まっていない、と被告側から指摘されているので、原告側に整理するようにと述べた。
これに対して、海渡弁護士からは、重大な論点であるが、局面ごとに違っていてもいいのではないか? しかし、その内容について追加書面を出すことを考えていると発言。
5月19日ぐらいまでに提出してほしい旨の発言が裁判長からあった。
また、裁判所が作成した「争点骨子整理案」については、被告側補助参加人も追って提出することが伝えられ、海渡弁護士からは、原告側も追加を考えていると述べた。
「それをひとつの材料として、議論を深めましょう」と裁判長。
ん? これから本格的な議論を深めるのか?と一瞬思った。
5人に絞ったことで、裁判のスピード、焦点とも格段に上がることは間違いないと思われる。
これからが本格的なんだ!と改めて実感した。
裁判長に、他になにか意見は?と促されて、河合弁護士が補足発言。
「当初、福島原発事故の処理費用が5兆5千億円と見積もられ、その金額を会社に対して損害賠償せよ、ということでこの訴訟は始まったが、それが9兆482億1300万円になり、昨年12月には経済産業省の東京電力・1F問題委員会が、21兆円5千億円の費用がかかると発表した。
さらに、日本経済研究センター(日経新聞のシンクタンク)の3月7日の発表によると、処理費用は70兆円に上るとの予測。これは今年の国家予算に近く、一般税収の50兆円を超える金額だ。原告として請求額を変更することも今後検討する」
最後に、裁判長から今後の期日について説明があり終了した。
この後、記者会見に移った。
今回被告22人の訴えを取り下げ、人数を5人に絞ったことで、報道各社が詰めかけた。質問も相次いだが、報道自体は大きくは取り上げられていない。
時事通信web版より;
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042700683&g=eqa
【東京電力福島第1原発事故をめぐり、津波対策を怠ったとして歴代経営陣の27人に約9兆円の賠償を求めた株主代表訴訟で、株主側は27日、勝俣恒久元会長ら5人を除く22人への訴えを取り下げた。裁判を早期に進行させるためという。
他の被告4人は、武藤栄、武黒一郎両元副社長と、清水正孝元社長、小森明生元常務。勝俣、武藤、武黒各氏は検察審査会の起訴議決を受け、強制起訴もされている。
訴訟で株主側は、勝俣氏らに対し、東電へ約9兆482億円を支払うよう求めている。被告側は、津波は予見できなかったなどとして全面的に争っている。(2017/04/27-12:39)】
東京新聞の記事では、上記記事内容のほかに以下が明記されていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042702000238.html
【閉廷後に記者会見した株主側の海渡雄一弁護士は「津波対策を先送りした人たちに絞り、極めてシンプルな訴訟になった」と話した。今後、請求額を約二十一兆五千億円に増やす方針を示した。】
(原告:向井)