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第37回東電株主代表訴訟傍聴記

12月27日
前回の期日のご報告です。

 冬晴れの12月21日(木)、朝の冷え込みも和らいだ午後1時半より、いつもの103号法廷で第37回口頭弁論期日が開かれました。
 この日、原告側からは準備書面(29)「法令違反、津波の予見可能性について」、同(30)「被告勝俣、同清水の任務懈怠について」、同(31)「被告武黒ら第7・第8準備書面に対する反論」及び甲223~277号証の4を提出し、被告側からは補助参加人(東電)の第24準備書面(原告の第28準備書面への反論)及び丙170号証の1~4と17年12月13日付の事実経過表が提出されました。
裁判長は、被告勝俣らに対し原告準備書面(30)についての反論、被告全員に対して、原告準備書面(29)の法令違反の主張について、必要なら1月23日までに反論を出すように指示し、事実経過表についても同日までに必要事項を埋めるよう求めました。また、東電が提出した資料(丙167の1、丙168の1)の白塗り部分(他社の対応状況)を明らかにするよう原告側が求めていた点について、検討結果を尋ねたところ、東電は「他社の秘密事項なのでやはり難しい」と拒否回答でした。
一方、原告側に対して裁判長は、準備書面(31)について「明治三陸計算結果を受けて」何メートルの津波を予見すべきだったというのか、原告の準備書面(22)と関連して、具体的に定義するよう求めました。これに対して海渡弁護士から、刑事事件で明らかになっていくことを踏まえつつ、次々回までに提出すると回答したところ、裁判長は、3月16日の進行協議の1週間前までに出すよう指示しました。続いて海渡弁護士が、前々回に刑事事件の書証を出すよう求めた文書送付嘱託について裁判所に進捗状況を質しましたが、まだ刑事裁判所と協議中とのこと。「今の段階で、当裁判所で決定を出すことができないのか?」との追及には、「刑事裁判所の意見を聴きながら進めた方が柔軟性を持てる」という回答にとどまりました。
 これらのやり取りの後、甫守弁護士が、今回原告が提出した準備書面(29)、(30)、(31)について、説得力のあるプレゼンを行いました。
(29)については、関係法令を整理し、東電および旧取締役らに高度の注意義務があることを踏まえたうえで、今年になって出された前橋、千葉、福島の国家賠償等請求訴訟の地裁判決が、いずれも長期評価に基づく予見可能性を認めていること、前橋と福島の判決では、東電は安全より経済合理性を優先し「強い非難に値する」としている点を強調しました。
(30)では、勝俣、清水は中越沖地震対応打ち合わせで何度も高い津波が襲う可能性を聞きながら何の対応もしなかったこと、勝俣は福島原発モニター・木幡氏の「津波に備え非常用電源設備を高台に移して欲しい」との要望に「コストがかかる、簡単にできない」と対応していたこと、さらに会社法上義務付けられている内部統制システム構築義務の一つとして東電は「リスク管理委員会」を設置して対応しているが、国会事故調や東電の改革プランでも指摘しているように、シビアアクシデントを引き起こす津波などの事象や、事故発生自体をリスクととらえず、原子炉の停止を経営リスクと認識していたこと、自ら安全文化の醸成と言いつつ何もしなかったことは、明らかに内部統制システム不整備による善管注意義務違反、保安規定遵守義務違反であると主張しました。 
 そして(31)では、武黒、武藤らの結果回避措置に関する主張に反論しつつ、原子炉を止めていればもちろん、東電事故調が示した4つの対策を実施していれば本件事故は回避または大幅に軽減できたと主張。実際、東電の土木グループが武藤氏らに示した資料には「O.P.20m 10m盤に約10mの壁が必要」と記され、敷地南側だけでなく南側側面から東側全面を囲う防潮堤の図が示され、検討されていたこと、建屋等重要設備の水密化についても東電内部で度々検討されていたこと、非常用電源設備等の安全上重要な設備や機材を高台に設置すること、種々のソフト面での対策は1~2年で可能であることなどを示し、武黒、武藤らが明治三陸の試算結果から大津波を予見し、対策も検討されていたにもかかわらず、それらすべてを怠ったことが事故を引き起こしたと結論付けました。
 以上で当日の予定は終了し、裁判長が3月までのそれぞれ2回の進行協議と口頭弁論の期日の日程を確認し閉廷となりました。
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【記者会見】

 記者より、文書送付嘱託と東電の出した資料の白塗りについて質問があり、海渡弁護士から「裁判所は刑事裁判所と何の協議をしているのか、早く出してほしい」「事故前の東北電力女川原発や日本原燃東海第2原発が地盤のかさ上げなどの対策をしていたのに、東電はやらなかったということを出したくないので、企業秘密などと言っているのだろう。原告側から送付嘱託の申し立てをすることになると思う」と見解が示されました。

【報告&学習会】

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 報告会で説明に立った甫守弁護士は「福島原発事故は本来東電に無過失責任があるが、いったい誰が責任を取ったのか。民事においてもそのことをきちんと歴史に刻まねばならない」と前置きし、前述の裁判の内容について非常に分かりやすく解説しました。ここで、甫守弁護士も刑事事件の書証を求める文書送付嘱託申立の判断を遅くとも年度内には出してほしい、また東電資料の白塗り部分については再度原告側文書送付嘱託の申し立てをするつもりであると述べました。裁判所が予見対象の津波を具体化するよう言ってきている点については、証拠が東電側から出ていない時点ではなかなか難しいとし、裁判所が3月中というのは、年度明けから証人尋問をやりたいということかもしれないと述べました。が、私の浅い理解では、何故、具体的な津波高にこだわるのか、逆に裁判長は結果回避可能性を生じさせる津波高をどのラインと考えているのか知りたく思いました。
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 学習会は、たんぽぽ舎副代表で原告の山崎久隆さんを講師に、「福島第一原発事故と柏崎刈羽・新規制基準『適合』を問う」と題して行われました。山崎さんは18ページもの詳細な資料とパソコンに収められた膨大なデータを駆使し、フクイチの汚染水の垂れ流しの状況と、柏崎刈羽の再稼働の審査が、東電と規制委員会の嘘とごまかしで無理矢理OKを出したものであることを、明らかにしてくれました。内容を要約することは、私の手にははるかに及びませんが、東電がやっていることは事故前と全く変わらず、再稼働などとんでもなく恐ろしいことだということはよくわかりました。(原告 まめこ)
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