記事:福島原子力発電所の事故から2年、訴訟に苦しむ東電

6月28日

フランスの新聞Liberationの記者から事務局長の木村結さんが取材を受けました。
「脱原発・東電株主運動」と「東電株主代表訴訟」の運動について語りました。
それが、記事(6月2日付)として紹介されました。
翻訳していただいたので、ご紹介します。


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福島原子力発電所の事故から2年、訴訟に苦しむ東電

東電への多数の賠償要請:総額は数百億ユーロにも

岩崎の怒りは続いていて、まったく収まっていない。白く簡素なオフィスを背に彼は東電から受けた侮辱をかみしめる。千葉県で農産物を扱っている小さな協同組合「なのはな生協」の専務理事である岩崎は東電に対し、2011年3月以来「なのはな生協」がこうむった損害への賠償を求めている。また何よりもこの訴訟によって司法が、11500人の会員を160人減らし消費者からの信頼に傷をつけ、40年間にわたって千葉・茨城・福島各県の数十人の有機農業者と「なのはな生協」が築いてきた関係を、崩壊させた責任者を明らかにすることを期待している。5月10日に行われた最近の公判は短時間で終わった。東電の弁護団は組合の売り上げと会員の減少は事故の前から始まっていたと主張し、原告側の更なる怒りを買った。

追加援助
この訴訟は、毎日のように新たに増える賠償請求に直面し、法的そして経済的に締め付けられている東電にとって象徴的とまで言えないにしても、小さな逸話のひとつにはなろう。今週の金曜日、東電はこれらの巨額な請求に対処するため国に6000億円の追加援助を求めた。

5月21日に、福島原発に程近い宮城県丸森町内の筆甫(ひっぽ)地域の住民が更なる賠償を請求した。数日前に東北電力も200億円の補償金を要求したとされている。今年の3月11日には800人の市民が東電に対し除染作業の迅速化を要請した。さらには、日本の救急隊員の助っ人として被災地で作業にあたった約100人のアメリカ兵士が、東電がリスク評価に関し嘘をついていたとしてカリフォルニア州裁判所に20億ドルの賠償を提訴している。 これらの巨額な要求に対し、前述した「なのはな生協」は損失の補填と放射能測定器購入のために使われた2290万円の支払いしか求めていない。この額は、東電が2011年以来何千もの個人や会社に支払った2兆3017億円に比べればほんのちっぽけなものである。この莫大な金額のそのほとんどは、破産を避けるために国が東電を国有化してから設けられた補償基金から出ている。
 当初、「なのはな生協」は訴訟を起こそうとは考えていなかったが、東電が第2弾目の補償を拒否したことに反発し訴訟を起こすことを決めた。「1年前東電に、放射能測定はもうこれ以上不要だといわれました。これからは他のもっと安全な地域で、たとえば西日本で、農産物を調達すればいいというのです。われわれにとって、こんなに偽善的で傲慢で受け入れがたい提案はありません。東電はわれわれをなめるという間違いを犯しました」と岩崎専務理事は語る。東電は「なのはな生協」以外の少なくとも4つの協同組合からの賠償請求と「コントロール不可能になりそうな訴訟数の増加」がドミノ的波及効果を起こすことをおそれ、後ろ向きになっているという。
リベラシオン(訳注:この記事の発行元)は東電にも訴訟に関しての取材の申し込みをしたが、担当者は訴訟についてはノーコメントとし、「全ての件について真摯に取り組んでおります」という歯切れのわるい返答をするにとどまった。東電によると「80件の苦情を受理しうち30件は解決したかまたは却下した」とのことである。

リスク
日本の独立機関によって提出された報告書によってはっきりと「人為による大惨事」と定義されたこの事件で、いまや焦点にあるのは事故の責任の所在という問題である。この問題で東電を追求している人々は数百人にのぼるが、木村結さんもその一人である。保険会社で働く木村結さんの着物姿は、スーツをまとったサラリーマンばかりが目立つ東京駅で異質だ。物静かだが強い意志を内に秘めたこの60歳の女性は、1986年のチェルノブイリ原子力発電事故から反原発運動家となった。そして2012年3月、42人の東電株主からなる訴訟グループに参加した。このグループは東電に対し現在係争中の最大の訴訟を行っている。東京地裁で行われているこの裁判は東電の経営陣27人に対し、津波の危険と、重大な事故が起こった場合に備えた対策の必要性を軽視していたことの責任を追求している。
原告株主が要求しているのは何と5兆5千億円である。「経営陣はみずからの責任を取るべきだ」と木村結さんは語る。彼女は1989年に東電の株式100株を購入している。残念ながらその価値は現在暴落してしまったが「そんなこと(株の値が下がったのは)は重要ではありません。重要なのはこの事故の被害者を救済すること及び東電に真実を語らせることです」
 彼女によれば、東電の未来を左右するこの訴訟が決着するにはあと2年ほどかかりそうだということである。2年、この時間は2011年3月11日以来巨大な損失に苦しめられている東電には長い長い時間である。





▼記事原文
http://db.tt/a8BHxxDv

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