東電株主代表訴訟第8回口頭弁論・報告記

10月3日
先週の口頭弁論期日の原告からの報告です。

東電株主代表訴訟第8回口頭弁論期日・報告記
 

 9月26日10時半より、東電株主代表訴訟の第8回口頭弁論が開かれました。
 この日の口頭弁論期日は、2つの重要な意味を持つものでした。一つは9月9日に同じく取締役等の責任を追及した「福島原発告訴団」の告訴・告発に全員不起訴の処分が出された直後であり、不起訴理由として検察が否定した「予見可能性の存在」について主張、立証するという事。二つには、今まで原告側は「客観的な」予見可能性と結果回避義務、つまり会社の責任を追及していたのに対し、今回から「主観的な」個々の取締役の責任を問う新たな段階に入った事です。
 
 当日は小雨模様の空の下、地裁前での原告のアピールから始まりました。いつもに比べ、訴えに振り返り、横断幕やポスターに目を向ける人が多いように感じましたが、汚染水処理に国費が投入される事になり、東電の解決能力の無さが日に日に顕わになっている状況が関心を呼んでいるからでしょうか。
 103号法廷の傍聴席は今回もほぼ満席の状態で、双葉町の井戸川元町長や脱原発テント広場裁判の方も来ておられました。冒頭に双方の提出書面の確認がありましたが、その際海渡弁護士が被告側に対し、今回の原告書面に対する認否を詳細な内容で早く出すよう求めました。被告の弁護士は「個々の被告については、補助参加人(東電)の反論をベースにして(略)来年2月を目途に準備したい」と、反論に自信が無いのか?仕方なさそうに答えました。
 次回進行協議が12月17日16時、口頭弁論期日が12月19日10時半、次々回口頭弁論期日が来年2月27日10時半と日程の確認がなされた後、海渡弁護士が「主観的予見可能性、すなわち個々の役員の予見もしくは予見可能性について」と題するパワーポイント資料を使って、準備書面(6)の説明を行いました。

 初めに海渡弁護士は、原告が東電の株主総会と取締役会以外の会議資料を見られない事から、従来の訴訟指揮でも被告らが積極的に事実関係を明らかにすべきとされてきた事を踏まえ、正確に詳細に認否を求め、各自の認識を明らかにする書面の提出を求めました。そして2002年から2011年3.11までの各段階で、取締役らは大津波が来ることを予見できたにもかかわらず、情報を隠し対策を先送りし続けてきた事を、時系列に沿って説明していきました。
 2002年に当時役員だった被告らは福島第一原発に10mを超える津波が襲う危険を予見できた事。2006年当時の各役員らは、東電研究チームのマイアミ報告により13mを超える津波が来る危険を予見できた事。当時の各役員は2007年の中越沖地震の教訓を踏まえた対策を福島原発でも実施すべきである事を認識していながら怠った事。2008年の時点で役員らは、明治三陸沖、延宝房総沖並の地震想定の試算により15mを超える津波が襲う危険を予見できた事。2008~2009年に役員らは、貞観地震規模の想定の試算により9m程度の津波が襲う危険を予見できた事。想定を超える津波が炉心溶融を引き起こしうると予見可能だった事。2011年3月7日に東電は保安院に明治三陸地震、延宝房総沖地震、貞観津波の試算結果を報告したが、これをその後5ヶ月半にわたり隠し続けた事。
 このように被告らは想定を超える津波が本件原発を襲う事、その場合には電源を失い炉心溶融に至る事故を起こす事を各時点で認識し得たのだから、各自の予見可能性は認められるべきと主張しました。
 
 裁判長に対し海渡弁護士は、日本の民事訴訟にはアメリカのような証拠開示請求制度がないので、裁判所が被告側に文書を開示するよう積極的に訴訟指揮を執るよう強く要望するとともに、原発の安全性は1万分の1、10万分の1の確率も考慮すべきものである事を強調しました。「福島原発告訴団」の不起訴理由で、それらの確率で「直ちに対策工事をしなかった事が、(略)社会的行動準則・行動規準から逸脱していたとまでは認め難い」とされた事を踏まえ、裁判長に対しはっきりと釘を刺したわけです。
 パワーポイントはそれぞれの内容を示す図版や地図、スマトラ沖地震の様子や中越沖地震時の柏崎刈羽原発の写真もあり、非常にわかりやすく説得力のあるプレゼンでした。被告側弁護士もほとんどが画面を注視、書記官は大きく頷いていました。プレゼン終了と同時に多数の拍手が起こりましたが、裁判長は4月の時のように制止はせず、そのまま閉廷を宣しました。 

<報告・学習会>
 記者会見をはさみ12時から行われた報告会には70人余りの参加がありました。ほとんどが傍聴された方で、双葉町元町長の井戸川さん、浪江から江東区に避難中の10数人の方々、反原発や三理塚など様々な現場の方など広がりを感じました。
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海渡雄一弁護士

 意見交換の中で意外に知られていないとわかったのが、2011年3月7日の東電の保安院への試算結果の報告と5ヶ月半の秘匿という事実。傍聴者カードにも、初めて知って、東電の隠ぺい体質と罪深さを改めて痛感したとの声が複数ありました。海渡さんが指摘されたように秘匿が功を奏し!この事実が国民的記憶になっていないのですね。
井戸川元町長からは「町長時代に東電や保安院からいろいろな報告、言葉を聴いている。協力できると思う」と力強い発言があり、浪江町の避難者の方も月例の東電前抗議集会に出たいと発言、木村結さんからは「運動している人だけでなく、一般の人達に広げていこう!」と提起がありました。 

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井戸川克隆・前双葉町町長

 第2部は原告の山崎さんを講師に「東電のお粗末な予見可能性の反論の反論」の学習会が行われ、パワーポイントを使い原告の主張を裏付ける明快な説明がなされました。いつもながら高密度でハイスピードな山崎さんの説明には感嘆するばかりで、なかなかついていけてない私ですが、フクイチの建設時に30mの崖を20m削った事がはっきりわかる写真、2002年の海水ポンプのかさ上げの図などは一目瞭然、そもそもこんな所に原発を作ったのが誤りである事、汚染水問題も起こるべくして起きた事も今更ながらよくわかりました。

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原告・山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)
 

 以上で当日のスケジュールはすべて終了。正味5時間位だったのにまる一日分のような素晴らしく密度の高い充実の時間でした。12月の口頭弁論期日までにこちらの主張をさらに研ぎ澄まし、運動を広げて行きましょう!
(まめこ)



※当日の準備書面等はこちら→東電株代・提出書面





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