東電株主代表訴訟第14回口頭弁論の報告

12月11日
先週の期日報告です。
寒い中、傍聴、報告会へのご参加ありがとうございました。

期日の報告です。
紹介した書面については、後日アップします。




 急に寒さが増し、氷雨も降りだしそうな12月4日、第14回口頭弁論期日が開かれた。当日、電車の遅れなどもあり、98ある傍聴席はやっと半分が埋まる程。何とかして再度当初のように傍聴席をいっぱいにしたいものだ。
 今回の口頭弁論期日は被告側の書面提出のみで、原告側からは、河合弁護士より、前回の準備書面(10)で、責任が軽いと思われる被告に対し訴えの取り下げの提起をした経緯、それに対する被告側の対応などについて口頭説明があるものの、新たな書面提出やプレゼンの予定はないと聞いていた。したがって私は、この日の法廷も前回のように、淡々と進むのだろうと思い法廷に臨んだ。
 ところが、ふたを開けてみると、進行に関する意見として陳述を行った河合、海渡両弁護士の鋭い指摘と追及により、今まで貝のように押し黙っていた相手側弁護士が3人までも口を開き、さらに裁判長が踏み込んで、被告側の釈明や対応を迫るなど、まるで法廷劇のような緊迫した展開となり、大きく訴訟の局面が動くことになった。
 まず、河合弁護士は、東電が2008年の6月、文部科学省の地震調査研究推進本部(推本)の長期評価に基づく内部で得た津波高の試算結果により、その対策を検討していたにもかかわらず、7月には方針を転換し、長期評価の取り扱いについて土木学会に検討を依頼したことについて、10月6日付で求釈明していたことを説明。
 求釈明の第3は、1検討依頼は文書に依ったか、2回答期限を定めたか、3期限はいつか、4検討以来事項は何か(明確に特定)、5回答は来たか、時期は?、6その内容は?、7回答は文書に依るか、8上記1と7の文書の写しを求める、という内容である。
 土木学会への検討依頼は、東電が対策を先送りし、事故に至ったことの唯一の正当化理由であり、この点を明らかにすることは真実に迫るために非常に重要だ。しかしこの間、補助参加人である東電も、この件を熟知しているはずの武藤、武黒らも回答を拒否してきた。これは、あまりにも不誠実な対応で、真実を明らかにする姿勢が全く無いとして、重ねて誠意ある回答を求めた。
 さらに吉田調書の中で、吉田所長が土木学会の検討結果について「全く知らない」と言っていることも明らかにしつつ、文書が無ければ検討依頼は単なる言い逃れではないかと迫った。
続いて海渡弁護士が立ち、岩波新書『原発と大津波 警告を葬った人々』(添田孝史著)を引用しつつ、土木学会の津波評価部会は、東電社員も含む電力関係者が多数を占め、地震学者は一人しかいない組織であることを示し、そこに検討依頼することの意味を問いかけた。
 また、求釈明の第1と第2で、政府事故調の聴取を受けた被告はその開示に同意すること、受けていない場合は陳述書を提出するよう求めたが、誰も応じていない。真実を明らかにするため、それに応じるなら取り下げてもよいという原告の提案の意味、結果について、当事者とよく話して結論を出すよう求めた。
 これに対し、補助参加人の弁護士は「次期期日までに検討する」、原子力部門の被告の弁護士も「被告それぞれに検討している段階」と表明したが、原子力とは関係ない部門の平取締役らの弁護士は、「もともと関係ないのだから、陳述書を出すまでもなく、責任はない」と述べた。
 これには即、河合弁護士が応じ「平取締役についても、善管注意義務として取締役相互の監視義務違反の責任があるのは当然のこと。聴取結果の開示について、他の人達が続々と応じている中、申し合わせによるのか、東電関係者のみ拒否している」と迫った。この挑発的?な追及に「東電関係でもいる」と応じた弁護士は、さらに「取締役はいるのか?」とたたみかけられ、「関係者と言っている」と、役員は開示に応じていないことを暴露してしまう一幕もあった。
 ここで裁判長が割って入り、①土木学会への依頼について、まずは補助参加人(東電)が釈明に応じること、②聴取の開示、陳述書について各被告は、およそ協力しないというならともかく、事案解明と訴訟の簡明化のため検討してはどうか、条件があるなら裁判所が調整してもよいとの踏み込んだ見解を示し、被告側も了承することとなった。
最後に裁判長は東電に対し、次回期日までに求釈明も踏まえ、前回原告側が提出した準備書面(10)に対する反論を出すこと、原告側と被告側で異なっている津波高の読み方について明らかにすることを求め、次回1月29日以降の期日を確認し、法廷を終了した。
 
 午後の報告会では、今期日の説明にあたった金弁護士から見ても「法廷であそこまでやりあうのは珍しい。河合、海渡弁護士の千両役者ぶりはさすが」とのことだったが、内容的にも裁判所が東電の土木学会への検討依頼に大きな関心を寄せ、東電に釈明を求めたこと、5人以外の被告について、聴取の開示、陳述が嫌なら対案をだすよう迫るなど、原告側にとって2つの注目すべき進展があったことが報告された。
 引き続き行われた学習会は、岩波新書で『県民健康管理調査の闇』に続き『被災者支援政策の欺瞞』を出された毎日新聞の日野行介さんを迎え、取材を続ける中で見えてきたことをお話しいただいた。16年前に「すべての道は原発に通じる」といわれた敦賀市を振り出しに記者生活を始めた日野さんは、当時「ここまで隠すか」と感じたが、それは福島の県民健康調査でも被災者支援策においても同じ。隠蔽、改ざん、何でもありの事態こそ原発事故の社会的被害だと、数々の実例を引きながら主張された。隠されたこと、なぜ隠すのかを明らかにしていくのが自分の仕事という日野さんから見ても、安倍政権は都合の悪い報道は徹底的にたたく手法で、報道への圧力は非常に強いとのこと。
 私達の裁判にとっても、まさに隠されたことを知ることが大事であることを確認し、この日の学習会を終了した。
(原告 まめこ)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

NoNukes0311

Author:NoNukes0311
東京電力取締役の責任追及する:東電株主代表訴訟の公式ブログです。
裁判の報告や提出書面などをお知らせしています。

▼カンパのお願い
郵便局口座:00140-3-633169 「東電株主代表訴訟」

銀行口座:
[New]城南信用金庫 新橋支店(普通) 4 8 0 7 8 2 「東電株主代表訴訟」
三菱東京UFJ 銀行 多摩センター支店(普通)0229479「東電株主代表訴訟」


フェイスブック:https://www.facebook.com/tepcodaihyososho

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
Twitter
リンク
QRコード
QR
日本と原発
RSSリンクの表示
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター