第15回口頭弁論期日報告

2月9日
前回の口頭弁論期日の報告です。



第15回口頭弁論報告

 前々回あたりから傍聴席の空席がやや目立つようになり、今日はどうかな?と危惧を抱きながら法廷に入った。な、なんと満席に近い傍聴の人々がいるではないか! 意を強くして原告席に座った。
 前回の海渡、河合両弁護士と被告代理人弁護士との緊迫したやりとり、特に厳しく政府事故調の事情聴取調書の開示を迫り、被告代理人が取締役は誰一人開示に同意していないことを認めざるを得なかった一件が知れ渡ったからかな、などと考えながら開廷を待った。
 10時30分、定刻となり3人の裁判官が入廷し口頭弁論が始まった。初めは例によって例の如く準備書面等の出された書類の確認の後、海渡弁護士が、1月22日付けで出された補助参加人(東京電力)による第10準備書面への反論(意見陳述要旨)を提出し、それにそって意見陳述をした。これは、新たに開示された政府事故調の調書や、添田孝史『原発と大津波 警告を葬った人々』(岩波新書)などの新しい証拠をもとに、ポイントを絞って行なわれた。次回の口頭弁論で全面的な反論を行うが、その予告編といったところだ。主な主張は以下の通り。

①補助参加人が検討を依頼した「権威ある専門家集団」とする土木学界・津浪評価部会は権威ある専門家集団などではなく原子力ムラの虜(とりこ)にされた〝東電の僕(しもべ)、言いなり〟とでも言うべき集団であったことを、構成メンバーに東電その他電力関係者が多数含まれていたことなどの人の面から、さらに研究費の全てが電力から支出されていた等など財政面からも明らかにした。
②東電は2008年に、マグニチュード8クラスの地震が福島沖で発生した場合15.7mの津波が襲うというシミュレーション結果を得たにもかかわらず、保安院に報告せず土木学会に検討を依頼した。これは対策をしないための意図的な情報操作であることを、時間の経過を明らかにしながら――シミュレーション結果を得たのが2008年6月、2009年6月に検討を依頼し、回答期限は2012年3月23日――明日発生するかも知れない災害に対して3年もの検討期間を設けることの異常さ、その姿勢を厳しく追及した。
③2009年ごろ貞観の津波に対して繰り広げられた保安院と東電の間の暗闘、そして津波論議の際に加えられた圧力(論議の打ち切り)、さらには担当審議官の行動・発言を制限するような圧力(余計なことをするとクビになる等)などを、先般開示された政府事故調の調書を基に明らかにした。さらに津波対策の緊急性が示されていた保安院森山審議官のメールなどを示し、保安院関係者の責任にも言及した。

 次に河合弁護士が立ち、求釈明に対してきちんと答えているかと、土木学会に検討を依頼した件について、時系列に従って詳しく厳しく追及した。そして津波対策をたてようとしたが、膨大な経費や時間がかかることなどから1か月後には方針変更し土木学会に検討を依頼したなどとの具体例をあげながら、「手を変え品を変え先延ばしにした。その結果事故が起きたのはあきらかだ」と糺した。
 最後に裁判長が補助参加人代理人に、前回の口頭弁論でやり取りのあった政府事故調の調書開示について、その検討状況を尋ねた。返答は「数が多いのでまとめきっていない。次回までにまとめる」というもの。前述の如くここでもお得意の先延ばし作戦か!?
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 記者会見(司法記者クラブ) 

 続いて開かれた記者会見では、海渡、河合弁護士による本日の口頭弁論の説明のあと、海渡弁護士より「東電は保安院と結託しているようだが、2008年の15.7mのシミュレーションは見せていない。都合の悪い時は裏切る。結託と裏切りであり、悪は東電の方が一枚上だ」と説明した。
 原告の山崎さんからは「政府事故調の調書の開示によって明らかになった事実が沢山ある。裏ではすさまじいことが行われていた。だがまだ全てを開示しているわけではない。東電取締役は開示に同意していない。福島原発事故の全貌はわからないのだ。調書の開示にマスコミも協力してほしい」との訴えがされた。そして、原発だけは工事認可計画を出した段階で、認可がおりていないにもかかわらず工事をやっている(事前準備工事)ことの問題点、またそこで事故が起きた場合の責任問題等について、川内原発の問題、浜岡原発の廃炉や福島原発の事故の例をひきながら語った。
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白弁護士からの報告(参議院議員会館)
 
 続いて参議院議員会館に場所を移して報告会が行われた。白弁護士による今日の口頭弁論の報告の後、原告団代表の堀江さんが訴訟全体の経過や、何も分からないで訴訟を提起してやってきたが、証拠請求の過程で色々と新しい事実が分かってきている。大切なことは「責任をとらせる」ということ、そのことが再稼働阻止につながる。再稼働したら事故が起きるまで止まらないだろう。今やっている株主代表訴訟は九州電力や関西電力の再稼働阻止につながる。頑張っていきたいと決意を語った。
 
 次に事務局の松田さんから、前日に第1回の審尋期日のあった大飯・高浜原発差止め仮処分事件について、次回期日が3月11日になったとの報告があった。仮処分は通常の訴訟と異なり、認容決定が出れば実際に動かすことができなくなる点が重要であること。樋口裁判長から基準地震動を370ガルから550ガル(高浜原発の例、大飯原発も同様)に引き上げた時の耐震工事の内容はどのようなものだったのか(※根本的な工事はしていない)、基準地震動を550ガルから700ガル(高浜原発の例、大飯原発も同様)に引き上げた場合、クリフエッジ(核燃料の冷却手段が確保できなくなる地震レベル)が動くのかどうかについて、免震重要棟の機能と設置時期について求釈明があり、これはごく普通に生じる疑問を指摘しており、樋口さんらしいと感じたとのことだった。なお樋口裁判長は、あの大飯原発の運転差し止め判決を出した人である。
 その後、映画『日本と原発』の上映が行われ、映画終了後、この映画の監督でもある河合弁護士の挨拶があり終了となった。
(原告 落合)

◆今後の口頭弁論期日の予定◆
3月19日(木)午前10時30分 第16回口頭弁論期日 東京地裁第103号法廷
4月30日(木)午前10時30分 第17回口頭弁論期日 東京地裁第103号法廷
6月18日(木)午前10時30分 第18回口頭弁論期日 東京地裁第103号法廷






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