2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故を起こした東京電力。取締役の個人責任を徹底的に追及する東電株主代表訴訟。株主代表訴訟ですべての原発を廃炉に!
堀江鉄雄です。
2011年12月8日、国会事故調は発足して東電福島原発爆発事故の調査に着手しました。
その調査過程の作業員ヒヤリングで「地震直後F1-14階で水の噴出の事実」を把握しました。津波に襲われる前に水の噴出があったということです。これは地震動により何処かが損傷、破損した可能性を意味しています。
事故原因を津波だけにしておけば、津波対策だけで済みます。しかし、津波以前に設備、機器、配管が損傷、破損していたとすれば、設備、機器、配管等の耐震性の問題になります。つまり全ての原発の耐震性を、耐震計算方法から耐震設計、耐震施工法まで全てを見直さなければならなくなります。
田中三彦さんを始めとする国会事故調査委員会は、1号機の現場検証をしようとしました。ところが東電の虚偽説明「真っ暗事件(別紙)」により、現場検証を断念したのです。
それから3年後、今年2月田中三彦さんは新潟県の調査委員会として1号機の現場検証を実施しました。その田中三彦さんの報告会を下記で行います。
時間が経ち現場を変えられている可能性もあります。田中さんが現場で何を見て、何を感じ、何を思ったのか。
是非、皆様の参加をお待ちしております。
「東電株主代表訴訟の口頭弁論報告会と学習会」
日時:4月30日(木)13:30 東電株主代表訴訟口頭弁論報告会、河合弘之弁護士
13:45 第一原発1号機・原子炉建屋4階現場調査結果報告田中三彦(元国会事故調委員)
場所:参議院議員会館 講堂
別紙
国会事故調への東電「虚偽説明(真っ暗事件)」に関する資料
11.05.14 * F1-14階へ入域(*5回の入域は第三者委員会報告)
11.05.18 * F1-14階へ入域
11.10.14 F1-1建屋カバーの屋根パネル設置完了
11.10.18 * F1-14階へ入域、「目視確認」とビデオ撮影21分31(気相配管、液相配管の保温材カバーを外して確認していない)
11.10.21 東電HPでビデオ公開
11.10.28 建屋カバーの屋根に照明付設して使用可能
11.12.08 国会事故調発足
12.01~02 国会事故調、作業員ヒヤリングで「地震直後F1-14階で水の噴出事実」把握。IC配管、4階の配管の損傷確認の現地調査を決定、申し入れ
12.02.27 玉井部長、11.10.18に4階に入った社員からビデオを観ながら直接内部の説明を受けた。
12.02.28 東電側から玉井企画部長他3名、田中・伊東氏らに3月6日現地調査の説明
12.07.05 国会事故調、報告書提出解散
12.08.08 F1-14階の写真公開
12.11.30 * F1-14階へ入域(南西エリア配管,28分4)
13.02.07 田中三彦、伊東良徳氏、虚偽説明の記者会見
朝日新聞「東電、国会事故調に虚偽説明」
東電HP「誤認説明の釈明:現場の明るさについて質問があり、聞かれたので説明」
13.02.10 朝日新聞「東電、釈明も虚偽内容、部長から切り出し」
13.02.11 東電HP「釈明の訂正:当社側から説明」(当初、説明は事故調側からの要請)
13.02.12 広瀬社長、予算委員会証言
13.02.14 * F1-14階へ入域(線量のみ)
13.02.18 第三者検証委員会設置
13.03.13 第三者検証委員会 報告書発表
広瀬社長:予算委員会証言
「本人は、そもそも原子炉建屋は、最初から全体のイメージで暗いものだと決めつけております。暗いものだと思い込み説明をしているということです。」
「本人は第一原子力発電所には事故以降入っておりませんので、全ては聴取したということでございます。十月十四日にカバーが完成していたこと、あるいは照明が付いていたことということの確認はしなかった」
「さらに、その他の上司の関与という御質問でございますけれども、本人は、この二十八日に出向いたときに、実際、三月の五日、六日に現地を調査していただくことになっておったわけですが、そこのいわゆる段取りといいますか、ロジであるとかそれから必要な準備であるとか、そうしたものについての説明をするものだ、そういう業務だという認識のもと、上司には全く相談をせずに、本人がそこで調査したものを説明しに向かっております。」
* 事故後、玉井部長は第一原子力発電所には入っていない(原発の中という意味か、敷地か)。
* 現地調査の段取り、準備の説明であったから上司には相談しなかったとしている。しかし、その実、「受け入れ拒否」と取れる説明をしている。この説明内容は、玉井部長が勝手に判断してできる内容ではない。
玉井部長の説明は
① 現場は、建屋カバーをしたので「光を通さない」し、「照明設備」も設置されておらず、現在は「真っ暗」になっている。視界がきかない。懐中電灯で行くしかない。
② 現場は高線量であり国会事故調の現地調査の際には、東電の案内は原子炉建屋の入口までが限度であり、建屋内の先導や案内はできない。
③ 現場は、爆発で床に大きな穴が開き、がれきが散乱しており1階から4階まで転落すれば21m落下することになる。
④ 現場は、放射線量が高く、アラームが鳴るのでアラームパニックが心配。ルートを誤れば、恐ろしい高線量地域に入り、いったん迷うと帰り道が分からなくなる。
⑤ 頭上からの落下物の危険性「現に4階天井部分の一部が崩落していること、余震等の際に4階の高所に設置されている設備等が落下する危険性が十分にあること、平成23年5月に入域した時に比べ、同年10月に入域した際の方が4階天井の崩落がより進行していたとの報告もある。」
⑥ 事故調の責任で単独調査としてICを見に行くのであれば、危険性を認識された上で安全対策を含めた作業計画をきちんと立てることをお勧めする。
等々、危険性をこれだけ説明して、東電は案内をしない、ルートを誤れば帰れなくなると言われれば、これは行かせないための「説得」以外にない。
「建屋内の先導や案内はできない。」との説明に、「ルートを誤れば、恐ろしい高線量地域に入り、いったん迷うと帰り道が分からなくなる。」「事故調の責任で単独調査として・・・作業計画」とくれば、案内なしに「事故が起きても責任は取れない」「それでも行くのか」「事故調の責任で計画書を作成」してくれでは、事故調に選択の余地はない。
これに「照明設備がなく」「真っ暗」との説明があれば、事故調は現地調査を断念せざる得ない。
玉井部長の説明は、明らかに現地調査を止めさせようとする内容であり、「建屋内の先導や案内はできない。」は、勝俣会長から「事故調には出来るだけ協力するように」と指示されていることに反する「非協力的結論」である。
一社員が勝手に会長、社長の指示に反する結論を出せるはずはない。官僚中の官僚と言われる東電においてはあり得ない。会長本人または同等役員の意向あるいは同意があるはず。玉井部長は、単なる説明をする窓口であり、重要事項の判断、方向性の決定権は持っていない。玉井部長個人の勝手な判断でないことは明白である。
これだけ重要な事項の結論が出たのに、報告書はなし、玉井部長本人ではなく同僚社員のメールで現地調査中止という結果を伝えただけ、このメールをCCで受け取った会長始めとする役員の返信、反応は一切ないというのも異常だと言える。
勝俣会長は「事故調には出来るだけ協力するように」と指示していたにも拘わらず、「建屋内の先導や案内はできない。」と非協力的説明をしたのだから、「勝手な説明をするな」「何故、そんな説明をしたのか」となるはず。
現地調査の「受け入れを前提」としていたならば、何故、中止となったのか、どんな説明をしたのか、詳しく本人から直接説明をさせるはずである。
結果だけで報告を必要としないとすれば、それは「事前に」説明内容を、説明主旨をCCで受けた全ての役員は了解していたからに他ならない。要するに玉井が「上手く説得できた」のである。
東電の勝俣前会長はじめ役員は、玉井部長の「受け入れ拒否の説得」を容認あるいは了解していたのである。
以上
NoNukes0311
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