第23回口頭弁論の報告

2月12日
先日の口頭弁論期日、学習会の報告です。

<第23回口頭弁論の報告>
 立春にふさわしく穏やかな晴天となった2月4日、午後1時半から東電株主代表訴訟の第23回口頭弁論が東京地裁103号法廷で開かれた。傍聴席は報道関係者も含めほぼ満席!この裁判が山場を迎えていることが浸透してきた結果であれば、とても嬉しい。
 開廷冒頭、右陪席の裁判官の交代があり、弁論の更新手続きが行われた後、審理が始まった。今回期日は原告側からの提出書面はなく、勝俣ら代表者グループと武藤ら原子力担当グループからそれぞれ第3準備書面(被告の責任に関する原告側の主張に対する認否と反論)、補助参加人(東京電力)から第16準備書面(原告のマイアミレポートに関する主張に対する反論)及び証拠説明書が提出された。書面の確認後、大竹昭彦裁判長は補助参加人に対し、原告側の準備書面(15)について意見を求めたが、これに対し補助参加人は次回期日までに反論書面を提出すると答えた。
 続いて裁判長は、文書提出命令(未だ政府事故調の調書の開示に同意していない東電幹部らの調書を出すよう文書所持者に求めたもの)についての経緯を説明。文書の所持者である内閣副官房長官補及び監督官庁である内閣官房長官からそれぞれ1月8日、1月26日付で、意見書の提出期限を延ばしてほしい旨の上申書が出されたため、裁判所として前者には2月8日、後者には2月26日を提出期限としたとのことであった。すでに提出された内閣官房副長官補の意見書(1)では、これら調書が予め非開示を前提として聴取されたこと、公開することにより公務の遂行に支障が出るという理由で、清水、武藤、小森らの調書は非開示、勝俣や武黒に至っては調書の存否さえも明らかにしていない。所持者も監督官庁も非公開を決め込み(まさか特定秘密?!)、意見書提出の引きのばしを図っているが、これら調書は未曾有の被害をもたらした原発事故の解明のための第1級の資料であり、責任追及にも欠かせない共有財産であるはずだ。本来は文書提出の申し立ての手続きを経るまでもなく、被告らは、速やかに開示に同意すべきである。
 次に裁判長は被告らに対し、事実経過表(原告らの主張とそれに対する被告、補助参加人らの認否を時系列に沿って一覧表にしたもの)の、裁判所が下線を引いた原告の主張部分について被告らの認識、会議の有無、出席の有無、内容について、3月15日までに意見を提出するよう求めた。既に補助参加人からは裁判所の求めに応じて、原告の主張に対する認否が1月29日までに提出されている。裁判所が争点を事実経過表の下線部分に絞り、各被告の責任の有無を明らかにしようとしていることがはっきりと伺える。
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 期日後の記者会見で、法廷でのやり取りを説明する海渡雄一弁護士(司法記者クラブ)
 
 今回期日で予定された内容はこれで終わり?と思われた時、海渡弁護士が、事実経過表について補助参加人らに確認という形で質問に立ち、ここから傍聴者が「ドラマを見る思い」と感想に書いたような緊迫した展開となった。まず「武藤・武黒グループの第3準備書面で『平成21年6月までに耐震バックチェックを終了させる予定であった』とあるが、それは津波対策も含めてという趣旨でよいか?」との海渡弁護士の質問に、補助参加人の代理人は低い声で「今日の段階では、答えられない」と回答。さらに、「丙88号証(被告側提出の耐震バックチェック中間報告に向けた想定問答集)にRev9-1とあるが、これが想定問答集の最終版と考えてよいか?」には、「何度も作り替えるので、最終版かどうかこの場では答えられない」と困惑の表情。では「Q&Aに示された『地震調査推進本部等から発表された最新の知見を踏まえ……非常用海水ポンプ電動機が冠水し、故障することを想定した電動機予備品準備、水密化した電動機の開発、建屋の水密化等が考えられる。』とは、記者会見当時の東京電力の方針であることは認めるのか?」と問われると、代理人は焦った様子ながら珍しくはっきりと「これは、あくまで手控え(メモ)であって、社としての決定・承認を経たものではない。Q&Aはプレス発表用ではない」と主張し、「ではQ&Aは何の目的か?」とたたみかけられると言葉に詰まり「確認して回答します」と一言。裁判長が原告に対して「この調子で続けるのなら、求釈明として文書で」と言いかけるのに、「これで最後」として海渡弁護士は「武藤らの第3準備書面では『方針を転換し……推本の長期評価を取り入れない方針を決定したなどという事実は存しない』としているが、これはQ&Aの記述と矛盾する。方針変更ではないのか?」と糺した。さらに、「平成21年6月までに耐震バックチェックを終わらせる予定だったのが、土木学会に長期評価について検討依頼したことで、報告が6年も遅れることになったのも方針変更ではないのか?」と追及すると、代理人は「そもそも社として決定していないので、方針変更ではない」と繰り返し「書面で出します」と言って、やっとその場を逃れた態だった。
 このやり取りを半ば面白がっていた風の裁判長は「今のやり取りは弁論調書に載せないので、原告側は求釈明の申し立てとして出し、補助参加人、被告らはそれに回答及び主張を出してください」と求めた。が、ここで今度は河合弁護士が立ち「相手方は、会社法上の機関決定としては決定していないと言うつもりのようだが、当方は事実上の方針決定を問題にしており、それにより悪い結果を招いたことの責任を問うている」と述べると、裁判長は「それも踏まえて求釈明に答えるように」と指示した。続いて海渡弁護士が「想定問答集がプレス用でないとすれば、福島県用か?」と再度糺すと、東電側代理人はいらだったように「それも書面で」と述べるにとどまった。
 最後に裁判長は、今後の訴訟進行について方針を協議したいので、原告代理人から次回進行協議で意見を出すよう求め、次回以降の期日を確認して当日の法廷を終了した。
 まさに、東電旧幹部らが長期評価をふまえ対策を検討したが、経済性を優先し先送り(方針転換)した結果事故を招いた、という原告の主張の根幹部分に触れるやり取りが展開されたわけだ。次回以降に東電側がどう答えるか注目される。

<記者会見>

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 続いて行われた記者会見では、河合、海渡両弁護士から当期日の内容が報告され、論点が煮詰まってきていると同時に、今後の立証をどうしていくか裁判所も迷っている様子であると説明があった。そして居並ぶ記者たちに、東電幹部らの調書は原発事故の解明のための重要な資料であり公開すべきであること、事実経過表で明らかになってきたことも含め、この裁判の重要性を3.11の5周年記事に反映させてほしい!と呼びかけ、会見を終了した。

<報告・学習会>
  報告・学習会は、午後3時から参議院議員会館で行われた。
 裁判報告に立った甫守弁護士は、一般に民事裁判は主張整理と証拠調べの段階に分けられると前置きし、この裁判が主張整理の段階で煮詰まってきていること、裁判所も事実経過表にそって被告側に説明を求めてきたが、出てきた主張は「会議には出たが、資料の説明は受けていない」など、会議では皆寝ていたのか?というようなひどい内容であること、次回までに各被告についての事実の認否を求めていることをわかりやすく説明した。

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 裁判の現状及び今後の展開にについて報告する甫守弁護士、学習会で新たな訴訟について説明する鹿島弁護士(参議院議員会館)

 学習会は、金沢弁護士会所属で大飯原発、高浜原発の弁護団にも関わっておられる新進気鋭の鹿島啓一弁護士に「脱原発運動における訴訟の用い方」というテーマでお話を伺った。内容は、資料を見ていただくとして、鹿島弁護士は最後に、今年の3月11日に福井地裁に提訴予定の高浜原発3・4号機運転差し止めの本裁判は、世の中に広く訴え、脱原発・廃炉に向けた市民の運動とすべく、目下広く原告を募集中であること。弁護士だけでなく原告も中心になり、「意表を突くやり方で」闘っていきたいとアピールして、講演を終えた。
 この刺激的な提案に質問や意見が続出。関心の無かった人も、マスメディアも振り向かせるような訴訟や運動に向け、参加者それぞれが様々なヒントや勇気をもらった学習会となったのではないだろうか。
(原告:まめこ)



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