第24回東電株主代表訴訟口頭弁論報告

4月4日
前回口頭弁論期日のご報告です。

口頭弁論 
 3月末とは思えぬ寒の戻りのなか、東京地裁第103号法廷では白熱の闘い(!?)が繰り広げられた。まず、今回期日までに双方から裁判所に提出された書面の確認が粛々と行われ、そして事実経過表-1991/10/30から2011/3/7までの主だった出来事を原告・被告の双方の論点から時系列で示したもの-が完成間近であることが確認された。この表は次回期日頃には空白部が全て埋まり、貴重な資料として公表されることになる。
 更に、政府事故調査委員会が取りまとめた調書(現在、内閣官房長官補が所持)の提出を求める意見書について原告弁護団が主旨説明をした。調書の重要性、公益性を考えれば、勝俣元会長や清水元社長らの調書の出し渋りや調書の過剰な黒塗りなどは絶対に許されない。裁判所は再度、内閣官房副長官補らに意見を求めるとしたが、正義の観点からも裁判所が文書提出を命じることが待たれる。
 大竹昭彦裁判長は、次回進行協議において津波予見可能性に関する科学的な知見について議論したいと求め、口頭弁論を終了した。
 15分程度の今回口頭弁論は傍聴者には少し物足りなかったかもしれない。しかし、大竹裁判長の穏やかな口調の内に秘められた本件解明への気迫と、被告側の手詰まり感の露呈が感じられる興味深い口頭弁論だった。

記者会見 
 口頭弁論の後に参議院議員会館で記者会見が行われた。いつもの手狭な東京地裁司法記者クラブ室ではなかったため、多くの方々が新聞記者と弁護団の質疑応答の場に立ち会えた。朝日新聞、毎日新聞、共同通信社の記者がそれぞれ質問した。
Q1. 調書提出について国からの回答はいつ頃か?
A: おそらく次回期日の1週間前くらい(5月初旬あたり?)だろう。
Q2. 今後は刑事、民事裁判の進行を見ながら慎重に進めるというが、どういう意味か?
A: 刑事裁判の検事役を務める弁護士が入手した多数の証拠、大竹裁判長の真摯な姿勢や今後の任期、そして事実経過表や調書の公表状況などを見据え、刑事と民事の両方の動きを配慮しながら進めていきたい。
Q3. 結審はいつごろか?
A: 今のところ不明。刑事裁判の証拠や被告人らの証言、そして文書(調書)提出命令が出た場合の国の姿勢(不服申し立てをするか)、などのいくつかの不特定要素がからんでいるからだ。
Q4. この裁判でも専門家の意見が聞かれるのか?
A: 既に関連する論文などをいくつか提出した。今後の経過次第では彼らの意見も聞くことになるかもしれない。
 
勉強会
 記者会見に続き、「海渡雄一が読み解く 事実経過表から見える福島原発事故」/「大津地裁高浜原発差し止め決定は原発ドミノ倒しの始まりだ。川内を止めて、再び原発ゼロを実現しよう」と題した講演を海渡弁護士が行った。
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要旨は以下のとおり:
 ●事実経過表関係→はたして福島原発事故前に被告らは津波の可能性を知っていたか、の問いに対して浮かび上がるのは、巨大津波予想を単なる試算だと軽んじる被告らの行状や、会議で津波問題が検討されたかについては「記憶にない」とトボける姿だ。2008年以降の被告らも出席した数々の会議で、3・11の津波と同規模のものが福島原発沖に発生する可能性が再三指摘されるも、喫緊の課題の津波対策を被告らは意図的に棚上げした。それは、中越沖地震による東京電力柏崎・刈羽原発の事故(2007年に発生)の対応で多忙だったからということだが、実際は、経費や世評は大変気にするが安全面はないがしろにし、土木学会という身内機関への検討依頼でお茶を濁し、その裏で保安院等の規制機関を黙らせることに忙しかった。今後は調書の公表や事実経過表の完成で事態は一気に進展するだろう。
 ●大津地裁差し止めに代表される司法の変化など→福井地裁の大飯原発差し止め判決と大津地裁の高浜原発仮処分決定に、私たちは3・11後の司法の確かな変化を見た。両判決は日本の原発政策の不備を鋭く指摘し、とりわけ、高浜原発仮処分決定は、運転中の原発でも司法の判断によって止められることを示した。
 なお、脱原発先進国・ドイツでは、早くも1995年に注目すべき判決が出ていた。原告のマイエン市が勝ちとったその判決は、原発は1000年という短い期間に限定せず過去最大の地震動に安全係数を掛けた備えが不可欠だが、ミュルハイムケリヒ原発にそれはない、というものだ。地震津波大国・日本でもこうした知見を海渡弁護士などの脱原発派が3・11よりも前から訴え続けていたが、日本の司法の反応は鈍かった。
 また、高浜原発仮処分決定を不快に思う関西経済界から*スラップ(SLAPP)訴訟を彷彿させる不穏な発言があったが、それは発言者の法の無知を露呈するものだった。仮に今後、大津地裁の本訴において、被告関西電力の主張が認められ、住民側の敗訴が確定したとしても、住民側が損害賠償責任を負うことにはならないと思う。何故なら、決定が故意の虚偽証言に基づいて短期間で決定されたと判明した等の違法行為がないと認められないとときにのみ責任を問われるというのが判例の考え方だからだ。
[*SLAPP(strategic lawsuit against public participation):市民参加を排除するための戦略的訴訟。大企業や政府などが、権力を持たない一個人に対して恫喝や発言封じなどの威圧的・報復的な目的で起こすもの。]
 一方、差し止め仮処分申請が却下された川内原発は現在稼働中だ。しかし、4月6日10時半には川内原発差し止め仮処分即時抗告審の判決が福岡高裁宮崎支部で告知される。今回こそ整合性と論理性のある決定を勝ち取りたいものだ。
 最後に、日本の原発政策の今後は市民の力で変えられる、と海渡弁護士は力強く語った。そのための要素とは;
① (知)原子力ムラの論理に打ち勝つ知識を身に着けよう
② (情)福島の被災者に寄り添い、理解し、伝えよう
③ (意)正義の戦いは必ず勝てると信じ、決して諦めない、の3つだ。
 (知)知識を十分蓄え、(情)思いやりの心で、(意)強い意志をもって、原発ゼロを実現させましょう!

 今後の期日予定は、5月12日(AM10:30~)、7月7日(AM10:30~)、9月8日(AM10:30~)、10月13日(AM10:00~、この日だけ開廷が30分早いので、ご注意を!)です。いずれも木曜日で、場所は東京地裁103号法廷です。毎回、報告会・勉強会も開催する予定です。
(原告 加藤)

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