第29回口頭弁論期日、学習会の報告

12月27日
いよいよ2016年もあとわずかになりました。
前回の口頭弁論期日の報告です。



東電株主代表訴訟 第29回口頭弁論の報告
 2016年最後の口頭弁論が12月15日午後1時半から開かれました。今年一年、寒い日も暑い日も、そして慌ただしい年の瀬も東京地裁まで足を運び傍聴してくださった方々、また本訴訟に関心を寄せてくださった方々に心からお礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。

口頭弁論期日
 今回、原告側は準備書面(21)等を提出し、甫守弁護士が準備書面の補足説明を行った。しかし、これに対する被告側からの反論は口頭、文書ともになく、最短でも1月17日の進行協議期日まで待たされるもようだ。甫守弁護士の補足説明の概略は以下の通り:
① 準備書面(21)は、原告側が以前に提出した準備書面(19)を不当に非難した補助参加人の第20準備書面に反論するものだ。
② 既に原告側は書面(19)で、IAEA事務局長報告書及び技術文書等を引用して東電の原発政策の欠陥を指摘していた。これを補助参加人は第20準備書面で全面否定を試みたが、その中身は自らに都合の悪い記載は無視し、自らに都合のよい解釈を強引に並べ立てたものにすぎなかった。
③ 何らの説得力もなく自己中心的な内容の第20準備書面に対し、その誤りを準備書面(21)で敢えて指摘した。
今後本訴訟はいよいよ大詰めを迎える。大竹裁判長によれば、証拠調べの前提のために、双方の主張の骨子をまとめる段階へと入っていくという。
一方、昨年7月より続いている政府事故調ヒアリング記録(聴取結果書)の文書提出申し立てについては、現在の文書所持者である内閣府政策統括官(原子力防災担当)に対して、今年中には裁判所の判断が出る見込みだ。
今後の期日の日程等を確認して本日は閉廷した。

第30回 平成29年(2017年)1月19日(木)AM10:30 東京地裁103号法廷
第31回 平成29年(2017年)3月2日(木)AM10:00* 東京地裁103号法廷
第32回 平成29年(2017年)4月27日(木)AM10:00* 東京地裁103号法廷
第33回 平成29年(2017年)6月1日(木)AM10:30 東京地裁103号法廷
*3月2日と4月27日は開廷時間が10時となります。ご注意ください。

記者会見
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 今回は文書提出命令への質問が集中した。
政府事故調ヒアリング記録は、本訴訟のみならず各地で係争中の原発事故損害賠償請求訴訟にとって有効な証拠になると期待されるが、昨年7月の申し立てから1年以上が既に経過している。今は、裁判所の判断を一同固唾をのんで待っているところだ。なお、裁判所は今回国に対して資料を再度求めているが、すでに2回国へ資料を求めているところ、その意図がよくわからない。また、国は、一定の文書については、文書の存在そのものを明らかにすることを拒否するいわゆるグローマー拒否をしているが、被告清水、武黒、小森の調書については、それをしていないので、調書は存在しているのではないかと思う。インカメラ審議では黒塗り部分のメルアドなどの細かいところも調べたようだ。
 原告事務局長の木村氏は、こうした状況下ではメディアの力が重要になる、世論を大いに喚起してもらいたいと訴えた。また、原告代表の堀江氏も文書提出命令に対して国(内閣府)が即時抗告をする恐れが十分にあるため、それを阻止するためにもメディアの協力をお願いしたい、と訴えた。原告の山崎氏は、IAEAの報告書を巡る原告と補助参加人の解釈の違いや、補助参加人の言い分の理不尽さを改めて説明した。

報告会
 甫守弁護士が本日の経過、本訴訟のこれまでの歩み、そして今後の展望などを語った。安全対策を怠り福島原発過酷事故を引き起こした東電トップたちの経営責任を主な争点とした本訴訟は、他の原発訴訟の中でも先駆的存在であり、是非勝たねばならない訴訟だと甫守弁護士は力強く語った。ちなみに、甫守弁護士は、仙台から河合弁護士のもとに原発訴訟の武者修行(?)のために弁護団に加わった若手だ。
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学習会“東電の闇-報道されない大事なこと 汚染水から原発分社化まで”

 記者会見でも発言した山崎久隆氏が福島原発の最新状況、事故処理の様々な問題点、原発推進のために繰り出す原子力ムラの姑息な行状のあれこれ、など盛りだくさんの内容で原発問題に鋭く迫った。概略は以下の通り:
① 使用済み燃料プール冷却停止事故など:東日本大震災から5年半をゆうに過ぎた11月22日早朝に震度5の地震が福島原発を襲った。今回の揺れは70ガル(3.11の10分の1)にすぎなかったが、それでも第2原発3号機の冷却装置が90分以上も止まり、場所により停電も発生した。この事故に関する東電発表はまたもやすっきりせず、その真偽のほどは未だ不明だ。ともあれ、冷却プールは高温の核燃料を冷やし続けるために存在する、脆弱でしかも危険な施設だということが益々はっきりしてきた。また、福島原発では未だにお粗末な仮設施設を多用して事故処理作業がなされている。津波対策も例外ではなく、仮設防潮堤に頼る体たらくだ。今後また3.11並みの津波に襲われたら、と考えるだけでも背筋が寒くなる。
② 汚染水問題:水抜き井戸からくみ上げられる地下水の1日平均量は以前の半分の200トンになったと東電は胸を張る。これは凍土壁のお陰らしいが、これとて隙間の多い不完全なものでしかない。地下水対策の不備は雨対策にも波及する。8月下旬から10月の台風に伴う大雨で、敷地に溜まった水をバキュームで緊急くみ上げするものの追いつかない時もあり、ピーク時のくみ上げ量は1日で1400トンにも上ったそうだ。ただし、発表された数字は大方が机上のもので、1日にくみ上げられた水の量、くみ上げられずに汚染水となり海へ流出した量は誰にも正確には分からないし、分かる術もない。ましてや、地下深く流れる深層水に至っては、その汚染度や量は知る由もない。
③ 事故処理費と国民負担:先ごろの政府発表によれば、これまで11兆円と言われてきた事故処理費は21.5兆円に増大した。国は他電力の早期廃炉費用もここにちゃっかりと忍び込ませ、新電力や東電以外の消費者にも抜かりなく負担させる魂胆だ。国は、「(資金は)事故以前から確保されるべきだった」が「安い電気を利用した需要家に遡って負担を求めるのが適当」とテキトーにうそぶく。今後、国は事故処理費を税や電力使用量として国民に押し付ける魂胆だ。嘆かわしいことに、この大事な問題は先の臨時国会で議論されることはなかった。
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④ 質疑応答/まとめ:参加者の一人の次の発言に一同は驚きの声を上げた。それは、仮想のテロ攻撃を原因とした東海原発事故の処理費を外務省が以前200兆円と想定したというのだ(原子炉施設に対する攻撃に対する一考察)。福島事故処理費、21.5兆円でも相当に安く思えるほどの高額だ。東海の200兆円は、放射性物質の莫大な放出量予想や人口の多い首都圏寄りの立地に基づく、と山崎氏は推測する。一方福島の21.5兆円には初期被曝や低線量被曝による被害額が計上されていないが、とはいえ今後この額で収まるとは到底思えない。また、別の発言者は、効果があるかどうかも疑わしい現在の事故処理方法を改め石棺方式にすべきだ、と語気鋭く指摘した。これについては、山崎氏もほぼ同意見のようだ。
 現状を正しく把握したうえで、より効果的なやり方に思い切って変え、更には東電を破たんさせるという大ナタを振るわなければ無駄は永遠に続き、被災者救済もままならない。また、一旦取りやめになった復興法人税も再開するべきで、これを復活すると年1兆円弱の収入増が見込まれると山崎氏は語った。この税制を仮に30年間続ければ30兆円近くに積み上がり、被災者救済の大きな財源になる。使途についての厳格なチェックが保障されれば、復興税再開のほうが税金や電気使用料からかすめ取るやり方よりも国民は納得する。こうした大切なことを議論せず、火急の案件ではないどうでも法案成立にうつつをぬかす国会は機能不全に陥っている。
 この国はもはや法治国家ではないとも言えよう。国民の声に真摯に応える気骨ある政治家に一票を託したいと今更ながら思った。
2016年12月21日
原告 加藤 記



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