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5月17日の第40回口頭弁論の傍聴報告

6月6日
前回の口頭弁論期日のご報告です。

口頭弁論期日

 10:30に開廷した。今回双方から口頭での陳述などは特になく、以下のやりとりがあった。法廷はやや空席が目立った。
被告側の第9準備書面について
 裁判所は、被告・武黒、武藤らの第9準備書面に記載の「非常用配電盤の高所設置」、「可搬式機材の高所配備による対応」について、原告の準備書面(31)では、原告としてできる限りの主張がなされていると述べた。
 原告側に対し、裁判長が①何をどこに設置するのか、②どのように電源を復旧するのか、などの関心を持っていることを明らかにした。また、「可搬式」というのは、手で持つのか、自動車で運ぶのかも分からない旨も述べた。
 他方、裁判所は、被告らに対して、原告らがこれ以上詳しい主張をすることは現状困難とも思えるし、被告の書面によると、ガレキの撤去に長時間かかるとあるが、ガレキは水素爆発で散乱したとも考えられるし、被告の言っていることは今のままだとよく分からない、と述べ、そろそろ「非常用配電盤の高所設置」、「可搬式機材の高所配備による対応」では回避可能性がなかったというプロセスを時間(原子炉事象)との関係で説明するべきときでは、と問題意識を示した。その上で、裁判所は、前橋地裁、千葉地裁、福島地裁で、結果回避可能性の捉え方が異なっていることを指摘し、議論する価値があるとして、今後はその点の整理を進めたいと述べた。
 これに対して被告側からは、事故の経過について、補助参加人から情報を得て検討したいと述べた。
 補助参加人は、津波後の状況や、水素爆発後の状況等について、シミュレーションをして、反論を検討したいと述べ、具体的な反論は、夏休み以降になるだろうとも言った。
裁判所は、被告の意見に対して原告に異論がないことを確認し、今後の被告の反論を踏まえて、原告が再反論するように述べ、この件を締めくくった。
事実経過表について
 裁判所は、双方に対し、裁判所修正の「事実経過表」に異議がないことを確認し、現時点での主張を整理したものとして、本口頭弁論期日の調書に添付すると述べた。
刑事記録について
 裁判所は、刑事記録の開示について、刑事裁判所に問い合わせをしたところ、現在も引き続き検討中であり、前回以降付け加える点はないとの回答があったことを報告した。
 海渡弁護士は、核物質防護の観点から慎重に対応するということだが、刑事裁判所が懸念しているようなことはない、という意見書を提出すると述べた。
 なお、裁判所は、この原告側からの申し出はまだ正確には採用していないと念を押した。
刑事裁判の進捗状況について
 上記について、裁判長から質問があった。
 双方から、刑事事件の尋問が、1か月で5回開かれ、今年10月頃までに証人尋問が終了する予定である旨を報告。
期日確認
 最後に裁判長は、今後の期日を確認して、終了した(次回のみ、ここに記載する)
7月5日(木)午前10時30分 第41回口頭弁論期日(東京地方裁判所103号法廷)

記者会見

 原告の木村結さん、代理人の甫守弁護士と只野弁護士が出席。幹事社がフジテレビで、9社程度のメディアが参加した。
 IMG_7331.jpg 
甫守弁護士:現在、別件の刑事の東電元取締役らの業務上過失致死傷の裁判の進行待ちで、原告側、被告側とも刑事裁判での書証をとりよせて裁判したい意向。刑事裁判では、核物質防護の点から書証をいつ出してくるか分からない状況である。前回と今回、民事裁判所から催促してもらっているが、状況は変わっていない。裁判所としてはゆっくり進めて細かいところをやりたいという感じだ。
 今回出てきた武黒ら原子力担当取締役などの書面のうち、「非常用配電盤の高所設置」、「可搬式機材の高所配備」の2つについては、結果回避について触れていて、被告側は敷地にガレキが散乱していて、通路を確保するのに時間がかかるというようなことを書いている。だがそれについては進行協議で「非常用配電盤は高いところに置いてケーブルをあらかじめ地下に通しておけば、ガレキ撤去は必要ない」ので、この2つは性質が違うと述べた。被告参加人のほうから、結果回避ができないことについて武黒さんらでは説明できないので、補助参加人のほうで検討してもらうことになった。補助参加人は、夏休み明けまでに何らか出すという見込みになった。裁判所はもともと結果回避について関心を持っていたので詰めてやりたいとも言った。
原告・木村:今日の口頭弁論を聞いていて疑問点がいくつかあった。一つはガレキ撤去。東電は、水素爆発を想定していなかった、津波すら想定してなかったのだから爆発については想定していなかった。水素爆発跡のガレキの撤去ができない状況について、これからシミュレーションして反論を考えるというのはあまりにもひどいのではないか。7年も経って今ごろそんなことを言うのか、とあきれた。
かつて、私たちは脱原発・東電株主運動として東電の株主総会で、配電盤を高い所に置くべきとの質問を出している。それについて、東電は必要ないという答えをしている。その責任をどうとるのか? 
フジテレビ:第40回という期日は節目でもあると思うのですが、その思いは?
木村:裁判は時間がかかるのは知っていたが、こんなに長引くとは思わなかった。東京電力にも取締役にも非があることは明らかなのに、40回もかかるというのは残念な思い。ほとんどの証拠は東電が持っていて、私たちは何も持たずに裁判を起こして、彼らの行いを立証しなければならない、その壁は非常に厚い、と感じている。
NHK:今までの事実経過表とどこが違うのか?
甫守弁護士:刑事裁判で新たに平成19年~20年にかけての事実経緯が少し詳しく説明された。こちらの裁判でも必要だと思い事実を付け加えた。あと、被告を減らしたことが反映されている(注:27人から5人に絞った)
以上
(原告:向井)
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