10月12日
前回の期日の報告をアップします。
第42回期日報告
木村結
株主代表訴訟は42回目の口頭弁論を迎えた。2011年に提訴を決めてから7年。年間6回、2ヶ月に1回のペースで進んでいることになる。ペースアップのために被告を減らしたにもかかわらず、裁判が長引いているのにはいくつかの理由がある。被告側が5人の被告だけでなく、本来なら株主である私たち原告につくべき東電が被告に補助参加しており、出席弁護士だけで毎回13人と多く、なかなか口頭弁論の日程がすんなり入らないという事情が大きい。裁判長が期日を打診すると、「差支え」と異議を唱える弁護士集団。その上、原告の準備書面に対する反論がなかなか出てこない。今回も裁判所から「結果回避可能性について、非常用電源設備やタービンを高所に配置していた場合」を提出するよう言われてから「出す出す」詐欺を繰り返し、ようやく次回10月23日の進行協議期日前に最終提出すると言っていた進行協議期日での前言をまたもや翻して「資料が膨大なので間に合わないかもしれない」と言い出す始末。
東電には、整理できないほどの資料がまだ隠されていることが明らかになったわけで、東電に都合の良い組み立てをするためにどの資料を使えばよいかを操作している最中でそれに時間がかかる、または船頭が多いので方針がまとまらない。もしくは、多くの裁判を抱えているので、他の裁判との整合性を取るのに時間がかかっている、ということなのだろう。いずれにしても、日本の民事裁判は原告に不利なこと極まりない。資料を保有しているのは被告側であるのに、何も持たない原告が立証しなければならないのだから。
同時進行している刑事裁判で明らかになった供述調書や証人尋問調書を裁判所が送付嘱託に応じてくれて、こちらの裁判で使えるようになったことは大きい。これは他の原発事故被災者損害賠償請求訴訟の裁判でも証拠として使える可能性が広がったわけで、大きな追い風となる。
学習会は、映画『わたしの、終わらない旅』の上映と、監督・坂田雅子さんと木村結とのトークだった。坂田雅子さんは、アメリカ兵であったグレッグさんと結婚した際、ベトナム戦争に従軍して枯葉剤を浴びたため子どもはできないかもしれないと言われる。グレッグさんは15年前に死亡し、雅子さんは「なぜ?」という言葉に導かれてベトナム、そして米兵の家族にも取材し、『花はどこへいった』『沈黙の春を生きて』を製作。そして、上田市で薬局を営んでいた母親が、原発反対のガリ版刷りのプリントの配布をしたのは「なぜ?」を描いていった映画が『わたしの、終わらない旅』。ネットにアップされている対談を是非ご覧いただきたい(対談は50分から始まります)。
裁判は佳境に入りましたと何度も言いましたので、傍聴の皆様には「やるやる」詐欺のようで心苦しかったのですが、今度は本物です。裁判長も10月25日(木)の後に12月6日(木)、と期日を入れてやる気です。今後の展開に期待し、引き続き傍聴をお願いします。103号法廷をいっぱいにして、原告と市民の意欲と期待を示したいと願っています。
なお、口頭弁論はいつもは10時30分開始ですが、12月6日は14時開始です。お間違いにならぬようご注意ください。
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