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2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故を起こした東京電力。取締役の個人責任を徹底的に追及する東電株主代表訴訟。株主代表訴訟ですべての原発を廃炉に!
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NoNukes0311

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4月7日
今日にも新型コロナウィルス関連で緊急事態宣言がなされるとの報道。
大変遅くなりましたが、前回の口頭弁論期日後の学習会の報告です。

 
 口頭弁論と記者会見終了後に、弁護士会館にて原告と傍聴者約30人で開かれました。
 冒頭、甫守弁護士は、一般向けに解説するいつもの内容ではなく、東電株主代表訴訟の原告、支援者のみなさま向けに、レベルを上げたものにしますと言われました。私にはハードルの高い内容でした。
 私なりの理解では、これからの株主代表訴訟にとって刑事裁判の判決内容と結果は不当なものでした。ただし、その判決の論理構成と経緯、事実認定等は、本件株主代表訴訟の主張立証の参考になるものがあると思います。津波対策(結果回避可能性)について今回提出した準備書面において、刑事事件の証拠を引用しました。津波対策は、津波高を想定する防潮堤だけではなく、浸水対策としての水密化は容易に可能であったということです。以下、私なりの刑事判決内容の理解です。誤認など多々あると思います。ご指摘ください。次回口頭弁論では、海渡弁護士が全面展開される予定です。
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裁判の報告&学習会
<刑事判決の論理構成>
・「予見可能性」は、10m盤を超える津波が来襲することの予見可能性が必要
・津波襲来の可能性の根拠は「長期評価」であり、「長期評価」の信頼性と具体性が必要
・「結果回避」するための防護措置は、結果回避義務として「運転停止措置」を講じること、これに尽きている
・「結果回避措置」を刑罰をもって義務づけるには、相応しい予見可能性が必要
<予見可能性の検討>
 判決では、新指針の解釈を「極めてまれではあるが発生する可能性がある全ての津波ではなく」「想定することが適切な」地震動、津波に対して、施設の安全機能が損なわれないことを求めている。「残余のリスク」は、「必ずしも地震動や津波によって施設の安全機能が損なわれる可能性が皆無もしくは皆無に限りなく近いことまでを要求しているわけではなかった。」とし、「極めて高度な安全性」ではなく「合理的に予測される自然災害を想定した安全性」が求められているとした。指定弁護士の主張する「長期評価」を取り入れ津波対策が完了するまでは、運転停止することを求めてはいなかったとした。
<長期評価の信頼性>
 判決では、「長期評価」は、M8.2前後の津波地震が海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性があるとすることについて、具体的な根拠を示さず、海溝寄りの領域内の海底地殻構造の違いに対する有効な応答も示しておらず、そのため、地震学や津波工学の専門家、実務家、さらに内閣府によって疑問が示され、中央防災会議や地方自治体の防災計画にも取り込まれず、保安院による安全審査や基盤機構によるクロスチェック解析にも取り込まれなかったものである。……「長期評価」の見解が客観的に信頼性、具体性のあったものと認めるには合理的な疑いが残るといわざるを得ない。」
「そうすると平成20年6月10日の被告人武藤への説明、平成21年4月ないし5月頃の被告人武黒への説明のいずれもがそうであったように、平成23年3月初旬までの時点においては、「長期評価」の見解は具体的な根拠が示されておらず信頼性に乏しいと評価されていたところ、そのような「長期計画」に対する評価は、相応の根拠のあるものであったというべきである。」として、信頼性のない「長期評価」に基づく「津波の来襲予測」の被告への説明は、「予見すべき津波」にはならない根拠になるとした。
<結果回避措置>
 指定弁護士は、①津波が敷地に遡上するのを未然に防止する対策、②津波の遡上があったとしても、建屋内への浸水を防止する対策、③建屋内に津波が侵入しても、重要機器が設置されている部屋への侵入を防ぐ対策、④原子炉への注水や冷却のための代替機器を津波による浸水のおそれがない高台に準備する対策、をすべて講じるまでは運転停止しておけば、本件事故を回避できると主張した。
 「前記①から④までの全ての措置を講じることに着手していたとしても、本件事故発生前までにこれらの全ての措置を完了することができたのか、証拠上も明らかではない。現に、指定弁護士も、被告人らが、上記の各時期に、前記①から④までの措置を講じることに着手していれば、これを完了することができ、これにより本件事故を回避し得たとの主張はしていない(平成28年8月9日付け釈明書)。」
「そうすると結局のところ、本件事故を回避するためには運転停止措置を講じるしかなかったということになる。そして(指定弁護士の主張からすれば)本件において問題となる結果回避義務は、平成23年3月初旬までに本件発電所の運転停止措置を講じること、これに尽きていることとなる。」
<結果回避義務>
 「結果回避措置」を法的に義務付けるには、「相応の予見可能性」が必要であり、その可能性の根拠の信頼性や具体性が必要である。その「結果回避措置」が必要であるならば、法令上、原発の設置、運転が認められているのに原発の運転は不可能となる。
 「津波の予見可能性」の根拠の信頼性、具体性は、当時の社会通念を中心にして、どのような知見があり安全対策が取り組まれていたのか。その社会通念は、法令上の規制やそれを補完する国の安全対策における指針、審査基準に反映されていると考えるほかない。
<運転停止は不可能>
 電気事業法に基づく電力の供給義務を負い、社会生活や経済活動を支える発電の停止は多大な影響がある。運転停止という作為義務を課すには、その容易性、困難性を考慮する必要がある。このような結果回避義務を法的に義務付けるには、それに相応しい予見可能性を検討する必要がある。
この予見可能性は、想定し得るあらゆる可能性の根拠、信頼性、具体性の程度を問わずに必要な措置を講じる義務を付ければ、法令上は原発の設置、運転が認められているのに運転は不可能ということになる。
 原子炉の安全性についての社会通念は、法令上の規制、指針、審査基準等に反映されている。本件発電所は、地震及び津波に対する安全性を備えた施設として「適法」に設置、運転されてきた。
 事実関係は、「本件発電所は、地震及び津波に対する安全性を備えた施設として、適法に設置、運転されてきたもの」で、運転していること=適法であるから違法とは言えない。
<結語>
 「……当時の社会通念であるはずの法令上の規制やそれを受けた国の指針、審査基準の在り方は、上記のような絶対的安全性の確保までを前提としてはいなかったとみざるを得ない。……上記のような法令上の規制等の枠組みを超えて、結果回避義務を課すに相応しい予見可能性の有無に関わらず、当然に刑事責任を負うことにはならない。 以上の次第で、被告人らにおいて、本件公訴事実に係る業務上過失致死傷罪の成立に必要な予見可能性があったものと合理的な疑いを超えて認定することはできず、……本件公訴事実については犯罪の証明がないことになるから、被告人らに対し刑事訴訟法336条によりいずれも無罪の言い渡しをする。」
 最後に、甫守弁護士が資料に載せた東京電力常務(当時)・姉川氏のインタビュー(『法と経済ジャーナル』2014.4.14)には、「原子力のエンジニアにとって、放射能が環境に大量に放出されてしまうような炉心溶融事故は、100万年に1回以下の発生頻度となるように対策をとるべきは常識」と書かれています。判決の予見可能性及び結果回避義務の検討では、この原子力事業者としての常識が無視されているのです。
 以上が刑事判決の要点であると理解しました。

以下、私の感想です。
1 結果回避措置
 結果回避措置を運転停止措置とすることで、運転停止という作為義務を課するという負担、困難さを考慮するべきとして、結果回避義務のハードルを上げたということです。
2 「長期評価」の評価
 刑事判決では、「長期評価」の具体的根拠、客観的信頼性がないとしています。その根拠として専門家・内閣府の疑問、公的機関の防災会議・防災計画・安全審査などに採用されていないとしています。
 また、「結語」にあるように「……上記のような法令上の規制等の枠組みを超えて、結果回避義務を課すに相応しい予見可能性の有無に関わらず、当然に刑事責任を負うことにはならない。」として、「長期評価」が結果回避義務を課すに相応しい予見可能性だとしても刑事責任は問えないとしています。
 つまり「社会通念」を含めて「新知見(長期評価)」では、法令上の設置許可、運転が認められている原子力発電所の運転停止措置は、法令を改正しなければできないということです。
この「津波想定根拠の信頼性や具体性を問わず、結果回避措置を法的に義務付ければ、法令上、原発の設置、運転が認められている運転が不可能になる」との論理は、新指針の「バックチェック」と「残余のリスク」を全く理解していないということです。
 「長期評価」は新知見として2002年に公表され、巨大津波への警告となったのです。中越沖地震により見直された法令に基づく「新基準」による「バックチェック」の中に取り入れられる方向でした。だからこそ東電は「長期評価は無視できない」と認識していたのです。
3 推進本部と土木学会の評価
 判決は「しかしながら、被告人武黒及び被告人武藤は、そのような数値解析結果については、条件設定の基礎となった「長期評価」の見解それ自体に信頼性がなく、適切な条件設定は専門家集団である土木学会によって検討途上である旨認識しており、現に「長期計画」の見解は、前記のとおり、平成23年3月初旬までの時点においては、客観的に信頼性があるとみるには疑義の残るものであった。」と、「長期評価(推進本部)」には信頼性はなく、土木学会には信頼性があるとの評価をしています。
 推進本部と土木学会の組織比較をすれば、法的根拠の信頼性は明確なはずです。
4 ①から④の防護措置の工事時期
 平成21年2月11日の御前会議からにしても、当時、柏崎刈羽原発は「基準地震動見直し(15年報告)」に基づく「耐震工事」を、設置許可変更申請、工事認可などの手続きなしに「定検」で行っています。したがって、手続きに時間を要することなく着工できたはずであり、①から④の防護措置の工事期間は1年もあれば十分なはずです。
以上
(文責:原告・東電株主代表訴訟代表 堀江鉄雄)
2020/04/07 10:01 未分類 TB(0) CM(0)
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