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期日報告書55、感想

11月7日

弁護団より、期日報告書をアップします。
また、傍聴者からの感想も紹介します。
提出書面については記事「本日提出(陳述)書面等」をご確認ください。

期日報告書55
2020年(令和2年)11月4日
東電福島第一原発事故・株主代表訴訟原告団の皆さま
                            さくら共同法律事務所
                           弁護士 河 合 弘 之
                                  外26名
拝啓
 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
ご依頼の被告勝俣恒久外4名との間の東京地方裁判所平成24年(ワ)第6274号等損害賠償請求(東電福島第一原発事故・株主代表訴訟)事件について,下記のとおりご報告いたします。
 ご不明な点がございましたら当職ら宛お問い合わせください。
敬具

1 期日

2020年10月29日(木)15時00分

東京地方裁判所103号法廷
      第55回口頭弁論期日

2 出席者 

 当方:原告及び参加原告14名,弁護団5名(河合,海渡,只野,北村,大河)
      被告(勝俣,武藤,武黒,清水,小森):各代理人弁護士ら 
補助参加人(東京電力):代理人弁護士ら

3 今回の訴訟活動

提出書面(それぞれ陳述)
  当 方:証拠申出書(A氏)
      証拠申出書(後藤氏)
      検証申出書(「物」について)
      文書送付嘱託申立書(「物」について)
      検証申出書(補充)(福島第一原発及び被害地域の視察)
      証拠説明書(57)~(60)
      甲700~甲705(703~705は原本)
相手方(補助参加人東京電力):
第38準備書面
証人尋問の申出に対する意見書
証拠説明書(34)
丙214~216
相手方(被告勝俣,清水):
    原告らの令和2年8月31日付及び同年10月21日付の各証拠申出について 
相手方(被告武黒,武藤,小森):
第12準備書面
証拠説明書(6)
証人尋問の申出に関する意見書
乙B129~131
証拠関係
上記各書証の証拠調べを実施しました。
証人尋問申請
 裁判長は,原告らに対して,今回申請した証人の他に追加はないことを確認しました。合わせて,裁判長は,被告・補助参加人に対しても,証人申請をしないことを確認しました。
双方から証人申請の追加がないことを受けて,裁判長は,従前の進行をずらして,12月1日の進行協議期日で証人の採否について裁判所の考えを頭出しし,12月25日の弁論期日で証人の採否について正式決定したいと述べました。そのために,12月25日の前の週にも進行協議期日を指定していることも述べました。
 原告ら代理人海渡が,尋問期日は現在確保している4期日では足りないと考えている旨を指摘しました。
 これについて,裁判長は,証人の採否が決まってから,尋問時間も含めて尋問期日の検討をしましょうと述べました。
 続けて,裁判長は,原告らに対して,渡辺証人の補充意見書を2週間以内(10月23日の進行協議期日から起算,11月6日迄)に提出すること,尋問申請の必要についての被告らの意見書に対する反論を3週間以内(10月23日の進行協議期日から起算,11月13日迄)に提出することを求めました。
 そして,裁判長は,被告ら及び補助参加人に対して,原告らが提出予定の補充の陳述書的意見書を読んでいただき,被告ら又は補助参加人が(尋問の必要性について)補充の意見を提出するかを検討するように求めました。
和訳について
 裁判長は,原告らに対して,甲703に添付されている英語論文について,抄訳を甲703の2として提出するように求めました。
刑事事件で「証拠物」として扱われた書証の文書送付嘱託(又は検証)について
裁判長は,被告ら及び補助参加人に対して,刑事事件で「証拠物」として扱われた書証について原告らが申し立てた文書送付嘱託(又は検証)についての意見をなるべく早く提出していただきたいと述べました。
 原告ら代理人弁護士海渡は,東京地裁刑事部が刑事事件で「証拠物」として取り扱ったことを理由としてなぜか文書送付嘱託を認めなかったが,15.7mの計算結果の報告書は黒表紙に金文字の体裁であり,刑事裁判所が見たものを同じものを見てもらって,決して「試算」などというものではなく,耐震バックチェックに提出する正式の書面であることが体裁から分かる等の送付嘱託(又は検証)の必要性を説明しました。その他に,東電社員が津波を検討過程に交わしたメール等を印字して綴じたファイル等も刑事事件では「証拠物」という取扱いになっていることを理由に東京地裁刑事部は送付嘱託に応じていないが,こちらも刑事裁判所と同じものを見てほしいと述べました。
 ⑹ 福島第一原発及び被害地域の検証について
  原告らは,既に福島第一原発サイト内についての検証は申し立てており,このたび新たに原発周辺の被害地域についても検証の申出をしました。
原告ら代理人海渡は,現地の検証申出の必要性について,原告らが申し立てた内容はサイト内と被害地域を1日で回ることができると思われる行程であること,本日提出した参考資料(刑事事件で検証を求めた資料,生業訴訟一審の検証申出書)も参考にされたいこと,生業訴訟の一審でも検証は採用されたこと,生業(なりわい)訴訟では福島第一原発のサイト内そのものは検証を行っていないこと,生業訴訟一審の検証申出書を見ればどのような内容で行なったのかがわかること,刑事事件で指定弁護士が検証を求めた資料を読めば,なぜ必要なのか,結果回避可能性,予見可能性の判断について,福島第一原発の敷地は35mの高さの台地を爆破して掘り下げている敷地で,すり鉢状になっており,津波に脆弱であることが一目で分かること,掘り下げていることから津波の痕跡が残っていないのも当然であること等を説明しました。そのことは今後の証人尋問において,後藤証人,渡辺証人の説明する防潮壁の成立性の判断をするうえでも必要である旨述べました。そして,裁判所の手続きの負担を減らすために,現地進行協議でも構わないと述べました。
  原告ら代理人河合は,現地を見るべき理由として,東京地裁刑事部が現地へ行かなかったのは面倒がったものと評価していること,百聞は一見に如かずであること,本件は社会から注目されている訴訟であること,福島第一原発事故は日本で史上最大の事故であり,現地を見ないで判決をしたら,内容の如何を問わず,批判を受けるだろうし,説得力を欠くものになると考えること等から,現地を見ることを心からお願いする旨を述べました。
  原告ら代理人只野は,福島第一原発の敷地内の検証の難易度について,構内は異常に放射線量が高いところもあるが,(その是非は措くとして)一般の方も(さらには高校生も)受け入れており,現場に立つと敷地がすり鉢であることが一見して分かることのためには,普通のルートで構わないのであって,困難さはないことなどを述べました。
  裁判長は,サイト内については以前原告らから検証申出をいただいており,その他については今回新たな申出をいただいたという扱いにします,と整理しました。
  続けて,裁判長は,被告ら及び補助参加人に対して,以前のサイトへの検証申出と今回の新たな検証申出に対する意見を出すように求めました。

4 期日

  裁判所は,今後の期日を,次のとおり確認して,本期日は終了しました。
(1)12月1日(火)午前10時30分~進行協議期日(非公開)@(東京地方裁判所 場所は未定)
(2)12月17日(木)午前10時~進行協議期日(非公開)@(東京地方裁判所 103号法廷)
(3)12月25日(金)午後1時30分~口頭弁論期日(尋問は取りやめ)@(東京地方裁判所 103号法廷)
(4)2021年2月1日(月)10時~17時 口頭弁論期日(尋問の予定)@(東京地方裁判所 103号法廷)
(5)2021年2月26日(金)10時~17時 口頭弁論期日(尋問の予定)@(東京地方裁判所 103号法廷)
(6)2021年4月16日(金)10時~17時 口頭弁論期日(尋問の予定)@(東京地方裁判所 103法廷)
(7)2021年5月27日(木)10時~17時 口頭弁論期日(尋問の予定)@(東京地方裁判所 103法廷)
以上

傍聴者からの感想を一部紹介します。

MAさん(埼玉県和光市)

・海渡弁護士、河合弁護士の話を裁判官は熱心に聞いていた、と見える。五感に届いたことを祈る。

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