2021年1月14日
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
前回12月25日の口頭弁論期日の報告です。
久しぶりの口頭弁論、裁判長交代
今年は新型コロナの影響により、予定の口頭弁論期日が取り消しになったりした中、貴重な裁判だった。
裁判長が交代になり、弁論の更新に伴う意見陳述として、本件訴訟の概要を、プレゼンテーション資料を用いて説明することになった。私たちは、過去に一度は聞いたことのある内容だが、2012年3月5日の提訴からすでに時は流れ、忘れかけていることも多いのは私だけではないだろう。
ましてや朝倉 新裁判長、資料は読み込んでいるに違いないとはいえ、新鮮だったと思う。
プレゼンが始まるとき、スクリーンに映るパワーポイントの画像を見上げるには裁判官の席はあまり見やすくなく、傍聴席に近いスクリーン正面に裁判官全員が席を移した。えっ? 壇上の裁判官の席から下りるって、異例なことではないの? などと思っていたら、手元資料をのぞかないように、という裁判長の声が聞こえ、法廷が心なしかなごんだ。
納得の訴訟概要~甫守弁護士のプレゼン
甫守一樹弁護士の約1時間のプレゼンは圧巻だった。忘れかけていた事実を証拠を示しながらわかりやすく説明してくれた。裁判長の様子が、位置的によく見えたという原告の一人は、裁判官全員がときどき資料を見ながらよくスクリーンを見ていましたよ、と話していた。
私の席は被告ら代理人弁護士のちょうど真向かいだった。14人の弁護士のうち、前列右のほうに座っていた比較的若手の弁護士が、甫守弁護士の顔をじっーと見ていたのが印象的だった。ときどきスクリーンを見ていたが、ほぼ話すほうを注視していた。また、一人、裁判官側の席側に残った書記官もスクリーンではなく、甫守弁護士のほうをじっと見ていた。
前回10月29日の口頭弁論期日では、コロナ禍を理由に、傍聴席、原告席とも人数制限があったが、東電株主代表訴訟がほかの団体にも呼びかけて、席数を過度に減らさないように裁判所に申し入れたことが功を奏し、原告は希望者全員が座ることができた。傍聴者の席も緩和されたが、ところどころ空席が目立ったのが残念だった。
今後、証人尋問が順次行われる。まず、2月26日には大勢の原告、傍聴者で埋めたい。
(原告:向井雪子)
(期日後の記者会見 司法記者クラブ)
●証人尋問の日程(予定)
12月25日の口頭弁論期日で原告側が申請した証人全員が採用されました。
1.2月26日(金)10~17時
・午前:B証人(原告側主尋問)
・午後:C証人(原告側主尋問)、D証人(原告側主尋問)
2.4月16日(金)10時~17時
・午前:A証人(原告側主尋問)
・午後:C証人(被告側反対尋問)、D証人(被告側反対尋問)
3.5月27日(木)9時50分~17時
・午前:B証人(被告側反対尋問)
・午後:A証人(被告側反対尋問)、被告武藤(被告側主尋問)
4.7月6日(火)10時~17時
・午前:被告武藤(被告側主尋問、原告側反対尋問)
・午後:被告武藤(原告側反対尋問(続き))、被告武黒(被告側主尋問)、被告小森(被告側主尋問)、被告勝俣(被告側主尋問)、被告清水(被告側主尋問)
5.7月20日(火)10時~17時
・午前:被告武黒(原告側反対尋問)、被告小森(原告側反対尋問)
・午後:被告小森(原告側反対尋問(続き))、被告勝俣(原告側反対尋問)、被告清水(原告側反対尋問)
※すべて東京地方裁判所103号法廷を予定。
※※A~D証人は、原告側の申請した専門家証人です。
C、D:元東芝技術者
A:長期評価の策定に関わった専門家
B:貞観津波(869年)の堆積物調査に基づいた波源モデルの作成に関わった専門家
ご参考:証人尋問について
人証調べ(証人尋問と本人尋問)
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