10月21日
裁判の記録が、やっと地裁から高裁に移りました。
係属部は東京高裁第5民事部、事件番号は令和4年ネ4601号です。
多くの人に読んでいただき、判決の内容を知っていただくとともに、福島第一原発事故はどのようにして起きたのか、原発事故の被害の甚大さが伝わればと願っております。
出版社に注文できるチラシも出来上がりました。
本の宣伝にご活用ください。
哲野イサクさんより、嬉しい感想をいただきましたので、紹介します。
面白く、一気に読みました。
同時に東電株代判決(朝倉佳秀裁判長)は、700枚になんなんとする大部、恐れをなして読んでないのですが、この本を読んで、判決文全文を読んでみたいという誘惑にかられます。おそらく「黒い雨」西井判決*同様、面白い読みものではないか、と思います。そういえば、樋口判決**も面白い読み物でした。(名判決は面白い読み物?)
また甫守さんの書かれた貞観津波に関する準備書面も読んでみたいと思いました。
木村結さんの書かれた「市民運動としての東電株主代表訴訟」を読んで、一気に株代訴訟ができたわけではないこともよくわかりました。
長年の株主運動の延長線上に株代訴訟があるのだと。運動側の人間としてまなぶところ多々でした。
圧巻はF1現地進行協議でしょう。朝倉裁判体が現地を直接五感で感じ、言葉によらない情報を次から次へと摂取し、確信を深めていった経緯が手に取るようにわかります。裁判で裁判体も成長したのです。
やはり原発差止裁判、原賠裁判の出発点は福島原発事故の衝撃と影響をいかに受け止めるかだと改めて思いました。
本全体は、判決の中身と解説、弁護団の心理にまで踏み込んだ描写、尋問の様子と描写(責任逃れをする経営陣の醜いこと)、保安院、東電内部にも15.7m超津波襲来を本気で心配する人たちがいたこと、この裁判のおかげで次から次へと新事実が明らかになっていたこと、東京地裁商事部の使命、などなど私の知らないことばかりでした。
国民必読の書というべきでしょう。
哲野イサク
(Webジャーナリスト、伊方原発差止広島裁判原告及び仮処分申立人)
*2021年7月14日広島高裁(西井和徒裁判長)黒い雨を浴びた原告全員を「被爆者」と認めた判決
**2014年5月21日福井地裁(樋口英明裁判長)関西電力大飯原発3、4号機運転差止判決
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