7月5日
本日、第2回目の進行協議期日予定です。
先週、6月29日にテレビ会議記録に対する証拠保全の申し立てを行いました。
なお、証拠保全とは、本来の証拠調べが行われるのを待っていたら、証拠調べが困難になる恐れがある場合に、あらかじめ証拠調べを行い、その結果を将来の訴訟において利用するために確保しておく証拠調べをいいます。申立て後10時半から弁護団長である河合弁護士、海渡弁護士、原告3人が記者会見を行いましたので、報告します。
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河合弁護士から、取締役の個人責任を追及する株主代表訴訟において、事故後の取締役らの対応が記録されている
テレビ会議の記録は第1級の証拠であるとの説明があった。
にもかかわらず、東京電力はこの記録を消してしまうのではないかという危険があると危惧。
そして、裁判にとって重要であるのはもちろん、この記録は社会的にも重要であり、事故の再発を防ぐための国民的共有財産であると主張。
海渡弁護士からは、この記録は本来、事故調によって明らかになるべきであるが、されていないと。
3月31日以降の記録は政府にあるが、3月11日~30日までの記録は東京電力にしかないという記録の重要性を指摘。
記者会見で、記者たちが公開するように東電が詰め寄ったが、東電はプライバシーを理由にこれを拒否しているという。
訴訟において、役員らは責任を否定、東電は補助参加しており、この記録は改ざんされる恐れもある。
過去の事故、御巣鷹山の日航123便ジャンボ事故でもボイスレコーダーの記録がそのまま反訳されて、第1級の資料になり、事故解明に大変役立った。
そして、記録の一部は、
国会事故調査資料にも出ていると申立て書の証拠(疎明資料)を示し、この生々しいやり取り、みなさん、テープで聴いてみたいですよね?と記者に呼びかけた。
河合弁護士からも、その生々しいやり取り箇所を示し、
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武藤→原・退避手順の検討指示
(ヒアリング及び国会事故調での発言)
高橋「武藤さん、これ、全員のサイトからの退避っていうのは何時頃になるんですかねえ。」
高橋「今ね、1Fからですね、いる人達みんな2Fのビジターホールに避難するんですよね。」
―――――――――――――これ(1F、2F)は、1階から2階じゃないよ(笑)、福島第1から、第2へ避難するってことだよと解説。
このほかに注水時のトラブル、ベントの遅れ、すべて役員が本店から指示している記録があるにもかかわらず、東電役員は現場の責任に押し付けようとしていると批判。
原告の木村さんからは、
東電はいつも嘘をつき続けたと、脱原発・株主運動を振り返る。
データ改ざん事件でも、東電はナイナイと言い続けたあげく、資料は後になって出てきたという。
今回も菅総理が東電本店を訪れた時の音声がないとの報道を見て、平気で嘘をつく東電だから、絶対あるはずだと直感したと、申し立てに至る経緯を話した。
もし、嘘でないなら、テレビ会議記録を出せばいいのだと主張。
原発を動かすというのなら、事故の反省と原因追及が重要なのに、被告らにはそのような意識はまるでないとあきれる。
原告の堀江さんは、今年度の定期株主総会を振り返り、「仕込み株主」が多かったことを指摘。
仕込み株主らは、東電の責任はない、国に責任があると執拗に質問を繰り返したという。
そこから、
東電は事故前は「津波」、事故後は「菅」で責任を逃れようとしていると批判。
地震で壊れた可能性も、この記録には残っているかもしれないし、マニュアル通りに作業が行われたのか、本店からの指示はどのようになされていたのかはとても重要であると改めて主張した。
最後に、テレビ会議の記録は
国民的共有財産であり、日本の再出発のすべての情報がこの記録にあるのだと締めくくった。
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朝日新聞をはじめ、読売、毎日、東京、産経、日経新聞にも掲載されました。
通信社にも配信されました。
次回進行協議期日は本日5日。
奇しくも国会事故調の最終報告が出される日となりました。
どうぞ、注目してください。
・・・追記・・・
▼6月29日提出した書面(PDF)再掲
証拠保全申立書
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